「ゲイリー・バレルは30年以上に渡る私の友人であり、メンターだった」と、ガーミンのエグゼクティブチェアマンを務めるカオは声明で述べた。
「バレルが提示したビジョンや顧客に対するコミットメントが、ガーミンの基盤になり、当社を成功に導いた。彼の業績を讃えたい」とカオは記した。
バレルは2002年にはガーミンの共同CEOに退き、2004年から共同チェアマンを務めていた。バレルの保有資産は2014年時点では14億ドルを超えていた。その後、彼は2016年にガーミンの株式の大半を妻と子供たちや慈善基金に譲ったため、ビリオネアランキングからは消えていた。
バレルは1980年代初頭に、航空エンジニアリング企業のAllied Signalに務めていた。1989年にAlliedが研究予算を削減したことで、バレルは同僚のカオと共にGPSテクノロジーを一般消費者向けに提供する企業として、ガーミンを設立した。
「バレルは自分が起業家になるなんて、考えたこともなかったと話していた。会社の立ち上げの話を私に持ちかけた時、彼は冗談半分だったのかもしれない。でも、後になって彼は、私と一緒なら会社を設立できると思ったと打ち明けた」と、カオは2003年のフォーブスの取材に述べていた。
二人は当初、400万ドルの資金でカンザス州に会社を設立し、世界初のコンシューマー向けのGPSプロダクトを送り出した。最初に発売した船舶向けのGPSナビゲーション機器は大ヒットとなった。
その後、二人はガーミンを上場させ2003年にはフォーブスのRichest Americansランキングに初登場した。
ガーミンは現在、約1万3000人の従業員を抱え、世界各地に60の拠点を設けている。自動車や航空機、船舶やフィットネス向けのGPS機器を製造する同社の2018年の売上は33億ドルに達した。
ガーミンの創設当時からの社員で現CEOのCliff Pembleは「バレルは今後も、偉大な起業家として人々の記憶に残り続けるだろう。彼はとても独特なやり方で会社を率いてきた人物だった」と声明で述べた。
「バレルはいつも、自社の製品だけでなく彼自身が一人の人間として、どのような影響を他者に与えることができるかを考えていた。彼のおかげで私は仕事に意欲的に取り組めただけでなく、夫として父親としての役割にも前向きになれた。ゲイリー・バレルに永遠の感謝を送りたい」とPembleは続けた。