ビジネス

2019.06.14

本当に広告は「終焉」したのか? 電通クリエイティブディレクターに聞いた広告のあり方

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ではそのアイデアはどう生まれるか。それは、その人にしかないユニークな視点から生まれます。これまでの人生経験や、異なる専門性、毎日の生活で形作られる個性が人との視点の違いを生む。コピーライターが1人で唸ってもいいものが出てこない時に、広告なんて考えたこともないような人のアイデアが加わると、ものすごく面白いものが生まれることもあります。

今年現地に行く人には、まずは多くのセミナーに参加することをおすすめしたいですね。受賞作品の紹介は後日記事にもなるし、ネットワーキングも日本の企業にはあまり向いていませんから。たとえ決裁者がそこにいて、新しいビジネスパートナーを見つけたとしても、「なんで勝手に決めてきちゃうんですか!」と怒られるでしょう?

セミナーに参加すると、今誰もが感じている疑問や解決したいと思っている課題が客観的に見えてきます。

そこに自分だけのアイデアを合わせて、アウトプットができたら、新しいビジネスが生まれる可能性もありますよね。現代の「クリエイター」たちに必要なビジネススキルを磨くヒントが見つかるのではないでしょうか。


ささき・やすはる◎
電通 第4CRプランニング局長 エグゼクティブ・クリエーティブ・ディレクター、デジタル・クリエーティブ・センター長。入社後コピーライター、インタラクティブ・ディレクターなどを経験した後、2011年からニューヨークに出向。帰任した現在もDentsu Aegis NetworkのExecutive Creative Directorを兼任する。カンヌ金賞やCLIOグランプリ、D&ADなどの広告賞を数々受賞し、審査員経験も多い。2011年クリエイター・オブ・ザ・イヤー・メダリスト。

構成=守屋美佳

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