自動車メーカーにとって大問題
こうした消費者の行動は、アメリカで車を販売しようとする全ての自動車メーカーにとって問題だ。
自動車購入者が、車両の燃費向上に十分な金銭的価値を感じてくれなければ、メーカー側には、燃料1ガロンあたりの走行距離を伸ばすことに関して、市場に基づくインセンティブが働かない。
燃費が向上した分の価値に購入者がお金を出す気になれば、メーカー側は、燃料消費を低減させようという大きなインセンティブを得ることができるのだが、実際にはそうではない。その代わりに、自動車メーカーには正反対のインセンティブが働いている。
私たちはすでに、通常は燃費がいい小さめの自動車の製造コストは、大型車やトラックの製造コストとほぼ同じであることを知っている。しかし、大型車は燃費があまりよくないことが多いが、メーカーにとってははるかに利益がある。言い換えれば、自動車メーカー幹部は、大きめの自動車を売った方が儲かることを知っているということだ。
あと10年か20年もすれば、このことは問題にならなくなるかもしれない。路上を走る車のほとんどが、バッテリー式電気自動車になる可能性が高いからだ。けれどもそれまでは、燃費のいい自動車には向かい風が吹くだろう。