アップルが革新性を失ったとみる5つの理由

アップルの年次イベント、WWDC 2019に登場したティム・クック(Photo by Justin Sullivan/Getty Images)


4. アップルウォッチ

ウェアラブル端末では、今でも間違いなくアップルがリーダーだ。ITに特化したメディアのCNETによれば、今年第1四半期のウェアラブル端末の出荷台数は約5000万個。このうち1280万個が、「Apple Watch」だった。

だが、ファーウェイはアップル以上に出荷台数を増やしている。調査会社IDCによると、ファーウェイの同期の出荷台数は500万個だが、前年同期比282.2%の伸びを記録している。アップルの伸び率は、同49.5%だった。ファーウェイに追いつかれる可能性は、無視できない。

5. サービス

アップルが音楽・動画コンテンツの管理アプリ「iTunes」を分割し、音楽、映画、ポッドキャストといったサービスごとに個別のアプリを提供すると発表したことについて、米ウェドブッシュ証券のアナリストは、「これは同社にとって、極めて重要な変化だと考えている。2007年にiPhoneを発表して以来、最大の戦略的な動きだ」と語っている。

ただし、これはアップルが混乱し、ゲームにおいて後れを取っていること示すもう一つの例のように思われる。成功を収めるためには、同社はこれらの分野のリーダーたち(スポティファイ、パンドラ、アマゾン ミュージック、ネットフリックスなど)から市場シェアを奪い取らなくてはならない。そして、そのためには真の革新が必要だ。

革新性こそアップル

アップルが今後もリーダーであり続け、テクノロジー分野の革新者としての評価を維持し続けるためには、マイナーチェンジやアップグレードを行うだけでは済まない。誰もがそれなしではいられないと思うような、全く新しいカテゴリーの製品を生み出す必要があるだろう──それも短期間のうちに。

数多くの根強いアップルファンはもう少しの間、同社を支持し続けると考えられる。だが、同社はイノベーションによって築かれた企業だ。技術革新がなければ、それはもはや、アップルではなくなる。

編集=木内涼子

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