ビジネス

2019.06.16 08:00

ウーバーが2023年に実現目指す「空のタクシー」を支える企業

Uber Elevate

空のタクシーの実現を目指すウーバーが、米国でパートナーシップを結んだ企業が「Signature Flight Support」だ。同社は各地の空港でプライベートジェットやヘリコプターの発着マネージメントを行っている。
 
Signatureが空港に置く拠点は、「ウーバー・エア」が運行するヘリコプターの着陸パッドの運用を行い、EV型飛行機のメンテナンスなどを担当することになる。
 
Signatureはロンドン証券取引所に上場するBBA Aviationの一部門で、世界の200以上の空港に拠点を置き、米国の127の空港でオペレーションを行っている。ウーバーは先日、2023年に米国のダラスとロサンゼルスで、空飛ぶタクシーサービスを始動するとアナウンスした。
 
「空飛ぶタクシーサービスの始動にあたり、最も重要な拠点となるのは空港だ」とウーバー・エアのビジネス開発主任のChad Cashinは述べた。Signatureの営業主任のShawn Hallは、「当社はウーバー・エアが実現を目指すサービスに類似した、プライベートジェットの運用経験を豊富に持っており、Signatureの施設を用いれば、スムーズな空の旅が可能になる」と述べた。
 
ウーバーは既にヘリコプターの運用をHelifliteに委託するとアナウンスしており、Signatureはヘリのオペレーションでも地上の業務を担当することになる。ヘリでの移動サービスはまず、マンハッタン南部からジョン・F・ケネディ国際空港を結ぶルートで始動し、料金は車両での移動を含めて200ドルから225ドルになるという。
 
「空港まで別々の車両でやってくる乗客らを、最短の時間で一つの航空機に搭乗させるためには、膨大なリソースが必要になる」とCashinは話した。Signatureの一部の空港の施設では、乗客らは直接ターミナルに向かうことが可能になっている。
 
ウーバーによると、同社が空飛ぶタクシーサービスに用いる航空機は電動式で、燃料コストを引き下げ、輸送を効率化させることにより、距離あたりの利用料を既存のヘリコプターの3分の1程度にまで抑えられるという。
 
調査企業Roland Berger によると、世界では現在170社近い企業が電動航空機の開発を進めており、その半数近くが都市部のエアタクシー型サービスを想定しているという。ウーバーは現在、ボーイングのAurora Flight Sciencesやエンブラエル、Bell、Pipistrel、Karem、さらにJaunt Air Mobilityなどの複数の企業と開発を進めている。
 
ただし、同社の電動航空機の開発が果たして予定通りに進み、当局の規制をクリアできるかどうかは時間が経過してみてからでないと分からない。

編集=上田裕資

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