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AI通信「こんなとこにも人工知能」

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自動車の知能化が進むなか、ドライバーの心理状態を把握する「感情認識AI」の応用に期待が高まっている。同技術分野においてその名が知られるようになってきた企業に、米スタートアップのAffectivaがある。
 
AffectivaはMITメディアラボからスピンアウトした企業だ。同社が開発したAI「Affdex」は、世界87カ国、約750万人の顔データを学習。表情や声などを同時に分析して対象の感情状態を読み取る。
 
Affectivaはもともと、動画広告に対する消費者の反応を評価するAIツールを開発・提供していた。言い換えれば、AI×アドテク分野の企業だったことになる。これまではデータ処理もクラウド上で行っていたが、プログラムの改善を進めることで小型のCPUでも感情分析が可能になり、車両内への搭載に向け、複数の自動車メーカーから注目されている状況だ。



ドライバーがリラックスしているのか、退屈しているのか、眠いのかなどを正確に識別できれば、その状態に適したサービスを提供できる。AIスピーカーやAIアシスタントと連動して、音楽をかけたり、休憩を促したり、もしくは少し厳しく警告するなどがそれにあたろう。将来的には健康状態を測定して、ドライバーや車両の安全を守るためにも利活用することができる。
 
実際、すでに複数の自動車メーカーが、車内カメラを使用して飲酒や薬物、運転中のスマートフォン使用などを見破る技術開発を進めている。

ボルボでは、運転者の視線分散を警告したり、緊急時に運転制御に介入する技術を開発している。一方、“第二のテスラ”と目されている中国EVベンチャーのBYTONは、車内カメラでドライバーの心拍数など生体データを取得し、クラウドに送ってAIで分析・活用するという計画を提示している。
 
自動車産業のパラダイムは現在、「連結」「自律走行」「共有」などに移行しており、搭乗者に提供されるサービスの範囲や適切さも競争力の差別化の要因になっている。そこでは、何よりリアルタイムな情報取得が不可欠。社内カメラを通じたAIによる解析は必須となっていくはずだ。

連載 : AI通信「こんなとこにも人工知能」
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文=河鐘基(ハ・ジョンギ)

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