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2019.06.13

先入観を覆すスーパーSUV、ランボルギーニ「ウルス」の走り

ランボルギーニ「ウルス」

ランボルギーニがSUVを作ると最初に聞いた時は、どんなクルマが生まれてくるのかまったく想像ができなかった。正直に言って、少し心配した。60年代からずっと、カウンタックやアヴェンタドールなど、クルマ好きを興奮させる過激なスーパーカーを手がけてきたメーカーが、世界のSUVブームに乗って高性能SUVを出す。果たしてどうなのだろうか、と。

ちなみに、このクルマがランボルギーニ初のSUVだと思ったら大間違いだ。実は、同社は1986年にLM002という小生産のSUVを出している。つまり、絶滅した野生の牛を意味する「ウルス」は2台目となる。

6月某日、僕はその待ちに待ったSUV「ウルス」に乗ることができた。

ランボルギーニ・ジャパンが、 人気のウラカンやアヴェンタドールなど30台のオーナーが参加する北海道ツアーイベント「ランボルギーニ・ジーロ・ジャパン」を主催し、そこに3台のウルスを用意するということで、試乗の機会を得たのだ。釧路から阿寒湖、知床から摩周、そして女満別まで、3日間で570km以上のロングコースをドライブしてきた。

結論から言うと、とにかく凄い。このスーパーSUVは必要以上に速く、しかもコーナリング性能は物理の概念に反するものではないかと思う。



僕がウルスに対して抱いてた先入観は、すべてぶっ飛んでしまった。

まず、肉眼で見るウルスの外観はプロポーションが良く、リアの張り出しフェンダーが迫力110%。いかにも速そうだ。高い地上高、ミドシップではなくエンジンをフロントに置き、4ドアで5人乗りのレイアウトは全体的に綺麗なフォルムだと評価しよう。グリルがかなり複雑で、今同社がふんだんに採用しているハニカムの模様は多少忙しすぎる感じがしたが、好きな人はたまらないだろう。

さて室内だ。実際、コクピットに座って見ると、「あ〜、なるほど」と納得するようなランボルギーニ特有の高い質感や高級インテリアになっている。

センターコンソールに配置した真っ赤なスタートボタンを押すと、血が騒ぐほどのエンジン点火。でも、そのやみつきになる音と振動は走行前の前菜みたいなものだ。ウルスで一番感動したのは、SUVにしては異次元の加速感とコーナリング性能だった。


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文=ピーター・ライオン

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