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2019.06.25

日本のデジタルマーケティングに変革をもたらすか。「Acquia(アクイア)」とオープンソースの可能性

(左より)アクイアジャパン ソリューションアーキテクトの岸俊兵氏、米アクイア社プロダクトマーケティングリーダーのエリック・フラートン氏、アクイアジャパン セールスディレクターの上田善行氏、パートナーマネージャーの小坂慎吾氏

現在、マーケティングの世界でホットなキーワードが「パーソナライズ」だ。Webサイトに訪れたユーザーの行動データをリアルタイムで分析し、個人向けに最適化されたコンテンツを表示することで、顧客体験を向上させるという試みが行われている。

このようなパーソナライズされた体験を実現するためには、そもそもコンテンツをデータベース化し、ユーザーのアクセスに応じて、Webページを動的に生成する仕組みが必要となる。これを実現しているのが「CMS」だ。

CMSとは「コンテンツ管理システム」の略。従来のWebページ制作に必要であったHTMLやCSSといった専門知識とせず、ワンソースマルチユースでサイト構築が行えるシステムだ。

CMSがこの世に登場したのは約20年前。当初は単純なWebサイトの構築などの機能がメインだったが、現在ではデジタルマーケティングを実行するためのデジタル体験管理システムとして、業界や規模を問わず世界中で導入されている。もはや、企業にとって必須のシステムと言ってもいいだろう。

現在グローバルで認知されている企業向けのエンタープライズCMSは約15社ほど。そのうちのトップ3と言われているのが、アドビシステムズの「Adobe Experience Manager」、サイトコアの「Sitecore」、そしてアクイアの「Acquia Experience Platform」だ。

日本においては、アドビシステムズとサイトコアは以前から日本法人があり認知度も高い。しかし、2018年10月末にアクイアが「アクイアジャパン合同会社」を設立。本格的に日本市場に進出してきた。

世界のエンタープライズCMSトップ3の一角であるアクイアとはどのような会社なのか。そして、日本における展開について、アクイアジャパンに話を聞いた。

4万6000人の開発者が、CMS「Drupal」を進化させる

米アクイア社は2007年にボストンで設立。CMSの世界では後発企業であるが、グローバルで顧客が4000社以上、パートナーは800社、8カ国15拠点を構えるほどに急成長している。フォレスターリサーチから、戦略で最高評価を獲得している。

ジョンソン・エンド・ジョンソン、ネスレやファイザーなど大企業での採用率が高く、アメリカ政府やオリンピック、グラミー賞といった、何億何十億というページビューがある大規模サイトや、グローバル企業の数百を超えるマルチサイト管理、さらにデジタルサイネージやアプリにコンテンツを配信するヘッドレスCMSとして導入されている。

その理由は、アクイアが提供するデジタル体験プラットフォーム「Acquia Experience Platform」の中核を担うCMS「Drupal」の存在が大きい。

「Drupal」の特筆すべき点は、オープンソースとして開発されているところだ。アクイアの創業者兼会長であるドリス・バイタルト氏は、このDrupalの創始者で、現在もプロジェクトリードを務めている。Drupalは100万以上のWebサイトで稼働しており、エンタープライズCMSとして導入数がトップ、またアクティブコントリビューター数で世界最大のオープンソースプロジェクトとなっている。

Drupalのオープンソース、オープンプラットフォーム、オープンデータの3要素が、いくつものシステムの統合が必要なデジタルマーケティング環境を素早く構築したい企業に受け入れられているのである。

グローバルでナンバーワンとなっているアクイアが、なぜこのタイミングで日本法人を設立したのだろうか。

「日本はずっと開拓すべき市場という認識がありました。日本法人がない2016年の時点で、アステラス製薬様やオーシャン ネットワーク エクスプレス様といった大手企業が、我々のプロダクトを評価し、グローバル全体で導入していただきました。これにより、我々の日本に対する関心が高まっていきました」(上田氏)



日本は、世界第2位のITマーケット。かねてから検討はされていたが、日本企業との契約が行われたことにより、日本でのサポート強化という意識が強まり、日本法人の設立に至ったというわけだ。

総所有コストを抑える「オープンソースCMS×クラウド」

Drupalのようなオープンソースソフトウェアは、コミュニティにより開発され、それ自体が無償で配布が可能であるということが大きな特徴である。現代のコンピューティングは、オープンソースの存在なくして成り立たない。LinuxやAndroidがその代表格である。この特徴は「Acquia Experience Platform」のメリットにも大きく寄与している。それは価格だ。

通常エンタープライズ向けのCMSは、サーバーやCPU単位でライセンス料を支払う必要がある。しかし、オープンソースの「Drupal」を採用しているAcquia Experience PlatformはDrupalのライセンス料がかからないため、導入コストを大幅に抑えることができるのだ。

それだけではない。Acquia Experience Platformは、クラウドサービスとして展開している点も見逃せない。通常は別途サーバー環境を構築運用する必要があるがアクイアの場合はクラウドサービスごと提供される。課金体系もおもしろい。クラウドサービスの料金はページビュー課金なのだ。

「エンタープライズCMSは、サーバー単位で高価なライセンス料がかかります。それに加え、CMSを稼働させるためのサーバー環境や、構築保守するためにシステムインテグレーターも必要です。この場合、導入にも運用にも時間とコストがかかり、Webサイトを増やしていけばいくほど、そのコストが跳ね上がります。しかし我々の場合、CMSのライセンス料がかからないだけでなく、ページビュー課金のクラウドサービスなので、圧倒的なコストパフォーマンスと時間の短縮を実現しています」(岸氏)

クラウドサービスとして提供しているため、システムのアップデートやセキュリティパッチの適用に関しても、アクイア側が行う仕組みとなっており、企業側としてもかなり安心感が高い。セキュリティは世界最高レベルとして定評があり、ISO27001、SOC1、SOC2、PCI-DSSや、アメリカ政府クラウド調達基準のFedRampを取得し、EU一般データ保護規則のGDPRにも対応している。

必要な機能を洗練させていく「シンプリシティ」という思想

アクイアでは、製品開発において、シンプルであること、柔軟であること、スケール可能であることを設計指針にしている。 シンプルであることはシステムの実際のユーザーに直接影響する要素であるため、重要視している。

「どれだけ高機能なものを提供しても、使い勝手がよくなければ使っていただけません。また、いくら機能を追加しても実際に使われているのはごく一部ということもよくあることです。そこで我々は、本当に日々お客様が使う機能だけを提供し、それをより洗練させていく。プロダクトをシンプリシティという考え方の下に創っています」(エリック氏)



この6月にリリースした「Acquia Lift」の最新バージョンは、Webサイトに訪れたユーザーの行動を追跡しリアルタイムでセグメント化を行い、コンテンツやWebページをユーザーの行動と属性によって切り替えるという、データドリブンのパーソナライゼーションツールだ。

パーソナライゼーションというと、ABテストやポップアップ通知などがそれに当てはまるが、「Acquia Lift」はさらに一歩先を行くツール。ユーザーの行動や趣向に応じて、本当に求めているコンテンツや体験を提供していくものだ。

「Acquia Lift」は3つのコンポーネントから構成されている。ユーザーの行動データを記録するデータベース「プロファイルマネージャー」、コンテンツを共有および同期するためのツール「コンテントハブ」、そしてユーザーごとに最適なコンテンツを提供するためのツールエクスペリエンスビルダー」だ。

今回は実際に「Acquia Lift」を導入している大手レストランチェーンWendy’sのデモンストレーションを見せていただいた。



そのデモでは、月間4000万人ほどいるWendy’sサイトの訪問者を対象に、フレンチフライを1ドルで購入できるキャンペーンを作るというもの。過去にフレンチフライのコンテンツをクリックしたユーザーや、過去にフレンチフライを購入した会員にキャンペーンを効果的に周知するためのパーソナライゼーションである。



Acquia Liftの画面から、まずはパーソナライズの種類と実施期間を設定。



そして対象のセグメントを選択。今回は「フレンチフライラバーズ」(過去にフレンチフライのコンテンツをクリックしたユーザーまたは購入した会員)



最後にパーソナライズ化したい箇所と表示したいコンテンツをWebページ上で選択。



この3ステップでキャンペーンを開始することができる。わざわざCMSの画面を開く必要がないところも快適だ。なお、Drupalに最適化されているが、オープンプラットフォームの思想を貫き、あらゆるCMSが利用可能とのこと。

これを手動でやろうと思ったら、かなり面倒な作業だが、キャンペーンを思いついてほんの10分程度でキャンペーンを開始できるというスピード感は、現代のマーケティングの世界では重要なことだ。

オープンソースのエコシステムを構築して日本にマッチしたビジネスを提供

アクイアジャパンは今後どのように日本で展開をしていく予定なのだろうか。

「我々は24カ月以内に日本のエンタープライズCMS市場でナンバーワンになるという目標を掲げています。先月、マーケティングオートメーション企業であるMauticの買収を行いました。CMSとMAが統合され、データが一元化されることで、企業はより多くの事を短時間に低コストで成し遂げることができるようになります。また、ミッドマーケットもこの6月から展開していきます」(上田氏)

それだけではない。日本企業が導入しやすいように、製品群のローカライズはもちろん、日本語によるサポート体制の充実も掲げている。また、日本のパートナー企業と共同で、すでにグローバルで行われているDrupal開発者向けの認定資格制度を日本語化して展開する予定だ。



「オープソースソフトウェアは、パートナー企業とのエコシステムも非常に重要なビジネスモデルと考えています。Drupalは世界中にコミュニティがあり、Drupalに精通した開発者が多くいます。そのような方が、Drupalをこれからはじめる方のメンターとしてサポートし、そのメンターの方々を我々がサポートしていく、エコシステムを確立し、Drupal開発者の底上げを行っていく構想で、現在実施に移しています」(小坂氏)

グローバルですでにトップクラスのシェアを持つエンタープライズCMS提供企業のアクイア。これまで日本では、知る人ぞ知るという存在であったが、日本法人の設立により今後日本でのシェアを伸ばしていくことだろう。

Promoted by アクイアジャパン 文=三浦一紀 写真=福岡諒嗣(GEKKO)

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