ビジネス

2019.06.14

韓国ヒュンダイも自動運転に注力、米「オーロラ」と提携

Darren Brode / shutterstock.com

韓国のヒュンダイ(現代自動車)と傘下の起亜自動車はシリコンバレーの自動運転企業「オーロラ(Aurora)」に出資を行い、同社の燃料電池車NEXO(ネキソ)の自動運転バージョンの開発を進める。

オーロラは6月9日にフィアット・クライスラー・オートモービルズ(FCA)と自動運転分野で提携をアナウンスしたほか、11日にはフォルクスワーゲンとの提携を解消すると宣言していた。

ヒュンダイと起亜はオーロラが6億ドル(約650億円)以上を調達した、シリーズB資金調達にも参加していた。今回の出資額は明かされていないが、2月にオーロラはアマゾンやセコイア・キャピタル、T. Rowe Priceらから5億3000万ドルを調達したと述べていた。

現状ではオーロラの自動運転技術を採用するヒュンダイの車両は、韓国や米国を含む市場で販売中のNEXOのみだが、今後は他の車両にも拡大していく意向だ。ヒュンダイは声明で次のように述べた。

「オーロラは自動運転分野をリードする企業であり、当社は今後も同社との連携を深めていく。この分野のトップ企業とのコラボレーションを通じて、完全な自動運転が可能な車両を顧客に届ける試みを前進させる」

グーグルの自動運転プロジェクトを率いた過去を持つクリス・アームソンが創業したオーロラは、この分野で最も巨額の資金調達を果たした企業で、累計約7億ドルを調達している。同社は自社では自動運転車を開発せず、他社に自動運転技術を提供することに特化している。

オーロラのプロダクト主任のSterling Andersonは「ヒュンダイと起亜らと提携を結べて光栄だ。当社のエコシステムを通じて、自動運転車のメリットをより多くの顧客に届けていきたい」と話した。Andersonはオーロラに入社する以前は、テスラのオートパイロットプログラムを主導していた。

オーロラは先日、フィアット・クライスラーと提携を発表し、ピックアップトラック車両「ラム」や「フィアット・プロフェッショナル」などの商用車の自動運転車版を開発すると宣言した。一方で、約2年前に提携を結んだフォルクスワーゲンとの提携は解消した。

英「フィナンシャル・タイムズ」によると、フォルクスワーゲンは今後、フォードと自動運転車の開発に向けたパートナーシップを結ぶ予定という。

編集=上田裕資

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