ビジネス

2019.06.17

ダイバーシティであれ 「ニューヨークの女王」が広告業界に物申す

シンディ・ギャロップ


━━「性差別や偏見を打ち破るクリエイティブ」を表彰するグラスライオン部門が始まって4年がたちます。初代審査員長を務めた立場から、この4年で変化はありましたか?

いいえ、変わっていないと思います。

私が広告業界に対して言いたいのは、「ダイバーシティについて語るのではなく、ダイバーシティのキャンペーンをうつのではなく、ダイバーシティの特別な作品を作るのではなく、ダイバーシティであれ」ということです。

グラスライオン審査委員長を務めた時、私はスピーチをし、カンヌライオンズに出席する全員に問いました。「自分自身、自分たちのクリエイティブ部署、代理店や関連会社を見つめ直したときに、グラスライオンを受賞できますか?」と。

これは、カンヌライオンズ自体にも問えることです。カンヌライオンズでさえ、(不平等であるため)いまだにグラスライオンを勝ち取ることはできません。


Getty Images

━━今年のカンヌライオンズにおける日本の審査員も発表されました。13人中11人が男性でした。業界自体のダイバーシティがなかなか実現されていない中、広告の表現について消費者はますます敏感になっています。日本の広告業界はどのように変わっていけばいいのでしょうか。

日本も世界の他の国と同様です。業界自体が、本気で変わりたいと思っていないのです。業界や消費者のためにも、広告業界のトップに立つ人々が、変化を起こしたいと思わなくてはいけません。しかし、彼らがその理由を見出すのは難しいかもしれません。

そこで私は、日本の女性たちに、自分たちが働きたいと思う未来の広告業界を作ることを勧めます。なぜならその広告業界で作られた広告こそ、日本の女性消費者は快く受け入れ、反応し、アクションを起こすようになるからです。そしてそれは将来の日本経済の重要な原動力となるでしょう。

写真=Cindy Gallop

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