──デザイナーになりたいと初めて思ったのはいつ?
まだ小さかったとき、(デパートチェーンの)ターゲットで、ターゲットがデザイナーと初めてコラボしたマイケル・グレーブスのコレクションを見て、製品の中に思考を入れ込むことができるのだと気づいた。それまでスプーンはただのスプーンで、ものをすくうためにある実用的なものだった。スプーンはその役目を果たしつつも、近藤麻理恵が言うように“ときめきを感じる”ものになれると分かったとき、ひらめきが生まれて、「デザインってすごい」と思った。このときと同じような興奮や情熱を人に与えられるものを作りたい。
──インスピレーションを得るために行く場所は?
どこでもインスピレーションを感じる。ありきたりな答えだけれど、僕はいろいろなものからインスピレーションを受ける。(夫の)デューイと行ったレストランや、行ったことがない場所など、どこへ行っても吸収できるインスピレーションはあると思う。最近はインスタグラムで、自分が知らない新しいアーティストやデザイナー、ものを作る人を見つけるのが好き。
──家具や飾りはいつもどこで買う?
ロサンゼルスには良い店がたくさんある。気に入っているのは「Nickey Kehoe」、「Amsterdam Modern」、「Gardeshop」、「Lawson-Fenning」とか。あとは、毎週日曜に違った場所で開かれるのみの市も。どんな部屋にも、個性と魂を与えるためのちょっとしたビンテージ品が必要だ。
──これまでの『クィア・アイ』のエピソードで気に入っているものは?
日本で撮影した最初のエピソードがたぶん今までで一番気に入っている。4人の“ヒーロー”(番組で変身させられる依頼人)のうち、2.5人は流ちょうな英語を話せたのでコミュニケーションには問題はなかったけど、最初のヒーローは年配者で英語を全く話せなかった。でも、気持ちでつながれたので、どの言語を話すかは重要ではなかった。