ドローンで食事を届ける「ウーバー・イーツ」の新たな試み

(Tasos Katopodis/by Getty Images for Uber Elevate)

ウーバーは今夏、カリフォルニア州サンディエゴでドローンを用いた食品の運搬を開始する計画だ。人口密集地で、各家庭にドローンで宅配を行うことは困難だが、同社は輸送プロセスの一部にドローンを活用しようとしている。

今回のテストでは、レストランでウーバー・イーツのドローンに食品を積み込み、顧客の最寄りの発着場まで空で輸送した後、待ち構えていた宅配員が各家庭に宅配を行う。ウーバーは天井部分にQRコードを塗装したウーバー・イーツの専用車両を、ドローンの着陸拠点に用いることも計画中という。

ウーバー・イーツはウーバーの航空モビリティ部門のUber Elevateとのコラボも実施しようとしている。Uber Elevate主任のLuke Fischerは、都市部への人口集中が進むなかで、宅配用ドローンの着陸拠点の確保は重要な課題になると述べている。

「ドローンを宅配に用いる場合、顧客の家の玄関にドローンを着陸させることは必須ではない。最寄りの拠点を着陸場所にすればいいのだ」とFischerは6月12日にワシントンDCで開催されたUber Elevateカンファレンスで語った。

ウーバーは先月から、ドローンを活用したフードデリバリーのテストを重ねており、マクドナルドの店舗からサンディエゴ州立大学のキャンパスに市販の「AR200」を用いて配達を実施した。同社はフードデリバリー用にカスタマイズしたドローンの開発を進めており、今年の後半にはデビューさせる予定だ。

サンディエゴで実施されたテストは、米国政府が2018年に始動したドローン活用のプログラム「ドローン統合パイロット計画(UAS Integration Pilot Program)」に沿ったものだ。同プログラムでは国内の10カ所で、ドローンを活用した試験プログラムの実施が認められた。

ウーバーは現在、FAAから航空運送業者として承認を得るための最終プロセスに入ったという。配車事業で膨大な赤字を生んでいるウーバーだが、ウーバー・イーツ部門は今年、少なくとも10億ドル以上の売上を生み出す見通しだ。

サンディエゴでの試験プログラムは、マクドナルドだけでなく地元の人気レストランのJuniper & Ivyなどでも実施予定という。

米国のドローン活用プログラムには他にも複数の企業が参加中だ。4月にはグーグルの「Wing」部門がバージニア州でドローン配達の承認を得たほか、MatternetとUPSはノースキャロライナ州の医科大学で医療サンプルの運搬プログラムの実施許可を得た。

編集=上田裕資

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