シティ派なお墓?眞敬寺が切り開く「お坊テック」の新境地

満照山眞敬寺の釋朋宣住職


堂々巡りの人生、それもよし

細かい遊び心も満載だ。下の本堂の彫刻の写真をよく見ていただきたい。


本堂にある彫刻はよく見ると楽しい

阿弥陀如来の来迎図を表しており、右端には眞敬寺近くのスカイツリーや浅草寺があり、パンダは上野動物園のシャンシャンだろうか。

芸大生が描いたイラストを3D化し、仏師が彫ったものに漆を塗り、金箔と彩色を施し、制作には2年余りかかった。「伝統と現代がクロスし、『今』ここ東京に生きる私自身に救いがあることを表したかった」と言う。

実はこの「寺の新境地」とも言える室内墓やお寺のビル化には、当初は檀家の中でも賛否両論あったという。だが、実際はエレベーターやバリアフリーの建物は概ね好評だ。最近では「住職、物好きだよね」と応援してくれる人も多いという。


来館者が自由に付箋に書いて貼れる黒板もある

そんな周りの反応を気にするでもなく、住職の思いはシンプルだ。

「仏様から見たら私たちは、堂々巡りの人生。それでも良い。同じ失敗をしているなって気が付くことが大切なのです。どんな状況にあっても、日常の喧騒を離れてお寺に足を踏み入れたら、損得や美醜、善し悪しなどでいつも揺れ動く基軸をゼロに戻すことができる。都会で暮らす皆さんにとって、眞敬寺が安心感のある故郷のような場所になれたら嬉しいです」


住職をイメージしたイラストが可愛らしい

文、写真=督あかり

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