ビジネス

2019.06.16

米CIAが支援のデータ企業「Palantir」が英国で業務急拡大の理由

ピーター・ティール(Photo by Stephanie Keith/Getty Images)

ビリオネアのピーター・ティールがシリコンバレーで共同創業した、秘密主義で知られるビッグデータ企業「Palantir」は今や、米国よりも多くの社員をロンドンで雇用している。

米国のCIAからも資金援助を受けているPalantirは、政府の諜報機関などが利用するデータマイニングソフトを開発し、不審者を検知する監視カメラの運用を支援している。同社は巨大なデータベースを運用する民間企業にもこのソフトウェアを提供中だ。

Palantirの取締役を務めるMarissa Kimbalは6月10日、英国で開催された「CogX AI」カンファレンスの会場で、同社のロンドンオフィスが最大の拠点になったと宣言した。

「当社はシリコンバレーで生まれた企業だが、現在ではロンドンのオフィスが最大の規模に成長した」とKimballは話した。「過去7年間で、当社は欧州でのビジネスを急速に拡大させており、今後もこの成長は続いていく」

Palantirの別の社員によると、ロンドンのオフィスでは現在550人が勤務しており、シリコンバレーの500人を上回っている。また、3番目に規模が大きいのがニューヨークオフィスだという。欧州には同社が必要とする優秀な人材があふれていると彼は話した。

Palantirの英国でのメインオフィスはロンドンのソーホーエリアに設置されている。同社の年次レポートによると、2017年のPalantirの英国での従業員数は343人で、給料の総額は4800万ポンドだった。ここから平均賃金を割り出すと一人あたり約14万ポンド(約1930万円)という計算になる。

2017の同社の英国での売上は1040万ポンドで、2016年の420万ポンドから大幅に伸びていた。

編集=上田裕資

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