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ティム・クック(Photo by Josh Brasted/Getty Images)

私は前回の記事で、今年の多くの卒業式スピーチに共通していたテーマが、今という瞬間をつかむことだと記した。だが、今年はもう一つの共通テーマがある。それは、1つ目のテーマの結果として生じるものだ。今という瞬間を最大限生きるためには、自分の個性を受け入れ、自分という人物に自信を持たなければならない。

あなたは、自分が思っているよりも力のある存在だ。陳腐に聞こえるだろうが、自分を信じることは、自分自身の力を取り戻す上で大きな役割を果たす。私たちは幼い頃から、その力を手放すよう育てられ、両親や学校、雇用主、さらには友人やパートナーにその力を受け渡してきた。しかし、年を重ねる上で重要なのは、この力を取り戻すことだ。

私たちは年を取るにつれ、他の人からこれが重要だと言われて命令されることから離れ、自分にとって重要ですべきだと思えることに方向転換をするようになる。自分のこうした内なる声を聞き、これがとても有用な道しるべであることに気づくようになる。そうして年を取るごとに、それに導かれる力はますます強くなる。

各大学の卒業式では今年、自分自身の内なる声を聞くことがいかに重要かが、多くのスピーチで示された。

「自分の記憶と体験を受け入れる」

「たとえトラウマであったとしても、自分の記憶と体験を受け入れ、自分のものとすること。世界が壊れているのは私たちが壊れているから。あまりに多くの人が、忘れたいと思ってしまう。あなたという存在の全てが良いものでなければならないなど、誰が言ったのか? あなたの全てが、あなたなのだ」──ビオラ・デービス(女優)/バーナード・カレッジ

「ここにいる全員にユニークな物語がある」

「皆さんは全員が今、自分の映画の始まりにあり、自分の映画と物語の第1幕を終えたところだ。私からは、自由に回答できる一つの問いを投げ掛けたい。あなたの第2幕は何だろう? ここにいる全員に、それぞれ異なる時間軸がある。ここにいる全員に、ユニークな物語がある。自分の第2幕が何かという答えを出し、変化や予想外の展開を受け入れること。良いことも悪いこともあるが、それを受け入れること」──ケン・チョン(コメディアン・俳優)/ノースカロライナ大学グリーンズボロ校

「信じなければならないものは、自分が持って生まれたユニークさ」

「皆さんの誰もが持っていて、誰もがきょうから信じなければならないものは、自分が持って生まれたユニークさ、自分だけの視点だ。あなたの目を通して世界を見る人は誰もいない。あなたの視点はユニークなもので、重要で、大切なものだ」──グレン・クローズ(女優)/ウィリアム・アンド・メアリー大学

編集=遠藤宗生

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