有名人の卒業式スピーチ、今年の名言集(前編)

アンゲラ・メルケル独首相(Photo by Paul Marotta/Getty Images)


「全ては(今)可能だ」

「どんなことであっても、当たり前のものとして扱ってはいけない。私たち個人の自由は、あって当然のものではない。民主主義は、私たちが当たり前として考えられるものではなく、平和も繁栄も当たり前ではない。しかし、自分を閉じ込めている壁を壊し、開けた場所に出て、新たな始まりを受け入れる勇気を持てば、全ては可能だ」──アンゲラ・メルケル独首相/ハーバード大学

「常に全てが私にとって(今)うまく行く」

「『常に全てが私にとってうまく行く』。これが私のモットーだ。あなたもこれを自分のモットーにしてほしい。『常に全てが私にとってうまく行く』。なぜなら、今もこれまでも、そうなってきたのだから。そして、あなたが自分の道を切り開き、発見する中で、これからもそうであり続ける」──オプラ・ウィンフリー(テレビ司会者)/コロラド・カレッジ

「(今)これをやると言い、実現させた」

「自分が解雇されたことは、それまで全く経験したことがない失敗だった。(…)長い年月をその会社に捧げてきたので、解雇は苦痛だった。私はこれからどうすればよいのかと不安に駆られた。そして、解雇は不公平だった──少なくとも、私はそう思っていた。しかし、これは私の人生の転機ともなった。その時、最も簡単な道は、プライドをぐっとのみ込み、他の企業に履歴書を送り、学校卒業以来してきたことを繰り返すことだった。(…)人から『あなたにはできない』と言われる理由はごまんとあったが、私はそれに耐えて、自分のアイデアを信じてくれる小さな若いチームを作り上げ、『私たちはこれをやる』と言い、実現させた。解雇はつらかったが、良いこともあった。自分が本当にしたかったことをする機会になったからだ」──マイケル・ブルームバーグ(実業家・政治家)/メリーランド大学


大学の卒業スピーチは少しありきたりな内容だと思われることも多いが、それでもその中には意義ある教訓があると私は思う。ここで紹介したスピーチの全てに共通するテーマは、今ある機会を最大限活用しなければならないということ。私たちは、今この瞬間に与えられたものを利用しなければならない。

特に米国では多くの人が、「達成」ばかりを目的にした5カ年計画作りにとらわれてしまう。私たちはその考え方を構築する中で計らずとも、今自分の目の前にある機会を逃してしまう。私が自分のキャリアから学んだ中で特に重要な教訓のひとつは、本当の意味で身を投じ、責任を持ち、どんなに小さくささいに思えることであってもその時に与えられた機会を受け入れ、本当に重要なものであるように扱うことだ。

あなたの脳も想像力も、目の前にある全ての可能な選択肢を想像することはできない。人生で最良かつ最も美しいものの中には、全く期待していなかったときに現れるものもある。

編集=遠藤宗生

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