I write about strategy, economics and leadership.

アンゲラ・メルケル独首相(Photo by Paul Marotta/Getty Images)

私は大学を卒業して今年で10年になるが、毎年この卒業シーズンになると、これまで実際に経過した月日と、全く時間がたっていないような強い感覚の間の奇妙な矛盾について思いをめぐらせる。自分は今も22歳の頃と同じように感じている。10年後には分かっているだろうと思っていたことがいまだに分かっておらず、22歳の自分がこれを知ったらきっと落胆するだろう。

一方で、学んだことも多くある。若いうちは、ステージを次々とクリアして勝ち星を上げることが目標だったが、すぐにこれはゲームの中のゲームでしかないと気づくようになる。より大きなゲーム、真のゲームは一本道のステージも金の星もなく、ずっと手ごわいものだ。真のゲームでは、心地悪さや継続的な変化を心地良く思うことで勝つことができるのだ。

「心地悪さを心地良く思うこと」は少し陳腐な言葉だが、大学の卒業式スピーチを見ていると、これが普遍的な考え方であり、毎日の生活に現れていることを思い出させられる。今年の卒業式のスピーチを見ていると、大半のスピーチに共通するテーマがあることに気づいた。それはまず、「今」をしっかりと感じるということから始まる。私は勝手ながら、各人の言葉に対し、大切なのはきょう、この場所、そして今という瞬間なのだということを補足したい。

「(今に)全力を投じる」

「私が人生の中で下した決断の中で特によかったことは、全力でリーン・イン(身を投じる)をしたことだった。(…)どのようにして演技の道に入ったのかと聞かれるが、実は演技の道に入ったわけではなく、あらゆることをしていた。(…)その後4年間、私は全てに関わりたいと考え、新たな考え方や、こうした考え方を実行する新たな方法を編み出した。心地の良い場所から出て、そこにとどまり、またそこを抜けた。必要に迫られてではなく、愛を理由に何かをすることで起きる力強い変化をじかに体験した」──ジョン・クラシンスキー(俳優・映画監督)/ブラウン大学

「リーダーシップとは、あなたの(今の)考え方」

「皆さんには、今から自分をリーダーとして見てほしい。(…)リーダーシップとは企業で果たす職務や、自分がCEOであるかどうかではない。(…)リーダーシップとは、あなたの考え方、あなたが選ぶ責任、あなたの毎日の振る舞いのことだ。これこそが、人をリーダーにするものだ」──ジュリー・スウィート(アクセンチュア北米最高経営責任者)/マコームズ・スクール・オブ・ビジネス

編集=遠藤宗生

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