FBが始動の「個人情報買い取りアプリ」の謎めいた仕様

フェイスブック公式が発表したイメージ図

フェイスブックの利用者らは膨大な個人データを毎日、無料で提供している。しかし、同社は今後さらに大量のデータを一部の人から入手し、報酬まで与えようとしている。

フェイスブックは新たに「Study」と呼ばれるマーケティング目的のアプリの立ち上げを宣言した。このアプリは18歳以上の利用者限定のもので、対象端末はアンドロイドのみとされている。また、利用を申し込んだ人全員がこのアプリを使える訳ではない。

まずStudyの利用を希望するユーザーを募り、応募者は規約に同意して自分の情報を提供する。その情報を元にフェイスブックが選抜を行い、選ばれたユーザーのみがアプリをダウンロード可能になる。その後、Studyアプリはバックグラウンドで端末のデータを収集する。

Studyは端末内にインストールされたアプリやその利用時間、使用している機能などの情報を収集する。さらに、利用中のデバイスや接続ネットワーク、居住地域などのデータも収集される。

情報の収集にあたりプライバシーには慎重に配慮しているという。Studyから得たデータが、個人のフェイスブックアカウントと紐付けられることはなく、外部企業とシェアされることもない。Studyで得たデータはフェイスブックのプロダクトの改善のために利用され、他社のマーケティングに用いられることはないと同社は述べている。

Studyは、端末内の写真やビデオ、メッセージやパスワードにはアクセスしないという。フェイスブックはさらに、利用者らがこのアプリをインストールしたことを忘れないように、ポップアップ画面を表示し、Studyが動作中であることを伝える。また、参加者はいつでも利用を停止できるという。

このStudyの参加者が、どの程度の報酬を得られるかについては、現状では開示されていない。

フェイスブックは以前、利用者のプライバシー保護が目的であるとするVPNアプリ「Onavo Protect」をリリースしていたが、このアプリが密かにデータを収集しているとの批判が沸き起こり、昨年8月にストアから削除されていた。

編集=上田裕資

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