遠足の「おやつ交換」から、過去の失敗に学ぶ大切さを知る

Henglein and Steets / Getty Images

先日、娘たちの遠足に同行した。年少クラスから年長クラスまで、遠足の行き先は同じ場所なのだが、年長の娘はクラス単位で移動する一方で、年少の娘は親が同行するタイプだったので、朝早くから2人を連れて集合場所の園庭へと向かった。

遠足といえば、「おやつ」が楽しみの一つである。我が家も例外なく遠足の数日前におやつを買うため、親子で近所の大型スーパーに行ったのだが、そこで長女の取った行動に違和感を覚えた。しかし、その違和感は何もおかしいことではなかったのだと、遠足の当日に知った。

なぜ同じお菓子を大量に買うのか

スーパーに入ると、私は娘たちと一目散にお菓子コーナーへ向かった。お菓子コーナーという空間は、大人になっても心躍るものだ。買おうと思えばなんでも買える大人でさえこうなるのだから、予算が決められている子どもたちにはもっと刺激的な空間であることは間違いない。

特に予算は決めていなかったが、幼稚園からはお菓子は2つと言われていたので、娘2人には2つ選んで持ってきなさいと伝えた。

お菓子コーナーにある様々なお菓子を物色したあと、次女はチョコボールと円柱状の容器に入ったアンパンマンのラムネ菓子を持ってきたが、長女は個別包装されたラムネ菓子が大量に入っている業務用のパックを2袋持ってきた。「2つまでなら、なんでも持ってきていい」と言ったものの、まさかここまで偏ったチョイスをしてくるとは。

「自分がいいならそれでもいいけど、次女みたいにせめて違う種類を1つずつにしたら?」と助言してみたものの、長女はこれでいいんだと言ってきかない。本人が本当にそれでいいなら特に強制する気もなかったので、変なチョイスをするなぁ、と違和感を覚えながら娘たちと家路についた。

結果的に分散されることを予測していた

そして、遠足当日。集合場所の幼稚園の園庭からバスに乗り、1時間ほどして目的地に辿り着いた。お弁当の時間まで2時間ほどあったので、次女を連れて巨大な滑り台や小さい電車に乗るなどして楽しい時間を過ごしていた。長女も友達と楽しそうに遊んでいる。そうこうしているうちにお弁当の時間となった。

普段はおしゃべりをして、比較的ゆっくり食べる園児たちが早々にお弁当を食べ終えて、そわそわし始めた。何が始まるのかと思えば、どうやらおやつの時間らしい。しかし、おやつの時間といっても、ただ持ってきたおやつを食べるのではなく、クラスのみんなと交換するそうだ。
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文=森永康平

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