──「環境経営」をする上で、NPO、他企業、地域と連携をしていることはありますか?
大川:40名ほどの小さい会社なので、環境経営を進めるにはNPO、NGO、市民活動家との連携は必要不可欠です。中小企業だからこそ、地元とは強い関係性があるし、顔の見える関係で連携先を増やすことができます。
長く評議員をしている神奈川県ユニセフ協会を始め、様々な団体と一緒に活動をして気づいたことがあります。それは、互いに活動している地域、相手の団体に対してどう貢献したいかを明確にすることが大切だといういうこと。そして、謙虚に協業しようとする姿勢ですね。
うまくいかないのは、大企業のOBの方が「こういう経験を今までしてきたから、自分に話をさせろ」と言わんばかりの態度でワークショップに参加するケースです。これはうまくいかない。お互い謙虚にリスペクトし合うことが大切です。
普川:私たちはR&D(科学研究や技術開発などを行う業務)のような機能もなく、コーヒーの調達部門もアメリカがメインなので、まず外部の方々に聞こうと思いました。
「コーヒーの豆かすって、何の役立つんだろう」と色々な人に聞いて、分析してもらうところから他社さんとの協業が始まりました。最初から当てがあったわけではないので、様々なワークショップやコミュニティに積極的に入っていく中での出会いが解決策となりました。
色々とお話を聞いていくうちに、「コーヒーの豆かすはエネルギーにならないけれど、繊維質だから牛の餌になるのでは」と言う意見をいただきました。
結果としてお店に戻ってくるものがいいと、牛の餌を目指すと決めました。しかし、実際に牛に食べさせようとすると、後ずさりをするぐらい近寄ってこなかったんです。牛は焦げ臭が嫌いだったんですね。コーヒーは焙煎してあるので焦げ臭がありますから。
そこで出会ったのが、コンタクトレンズを販売する「メニコン」の方です。コンタクトレンズの洗浄液にも入っている酵素の研究をされていて、微生物や菌のエキスパートです。
一緒に研究をしていく中で、豆かすを乳酸発酵させると甘酸っぱい香りになり、牛も食べてくれることが分かりました。多くの方々との出会いを通して牛の餌になったとので、協業の重要さを肌で感じました。