フォーブス ジャパン編集部のキュレーター兼編集者


それでも私たちが開発したテクノロジーの一部は、あり余るほどのポテンシャルを秘めているのも事実です。優れているうえに希少なので、グローバル企業にも使われるだけの価値があると考えています。確かに、ヤンデックスの価値はロシア市場では証明できました。しかし私たちの究極の夢は、ロシア発のグローバルなテクノロジー・ブランドを生むこと。日本が自動車で、フランスがワインで世界的に知られているように、ロシアには世界中で使える高度なテクノロジーにもとづいた製品の源泉であってほしいと思っています。

──CEOとして、これから中長期的な戦略で取り組みたい領域とは?

私にとっては、自動運転車が最も可能性のある領域に思えます。もちろん、明日には変わっているかもしれませんが。いつ、どのような技術が生まれるかは誰にもわかりませんから(笑)。何度かに一度、非常にユニークなプロダクトが生まれ、それをスケールしたくなるものです。いまは間違いなく、自動運転車ですね。

そして、もう一つが「教育」です。ヤンデックスでは、07年から修士レベルの機械学習論を無料で学べるオンライン講座「Yandex School of Data Analysis(通称:Yデータ)」を、18年からは実際に通える学校をテルアビブでそれぞれ開講してきました。

ただ私は、ロシアの子供向けの数学教育もグローバルにスケールできるのではないか、と考えています。優れたエンジニアやプログラマーを育成するには、数学の高等教育を受けた人が無数に必要です。確かに、国によっては多少やり方を変える必要はあるでしょう。同じ足し算でも、ある国はリンゴ、別の国はバナナ、ということがありますからね(笑)。ロシアは膨大な数の天才数学者を輩出してきました。ロシア方式を他の国々に導入することで、新たな数学の才能と出会えるかもしれません。そうすればもう一つ、ロシア発のグローバル・サービスが生まれるでしょう。

とはいえ、予告するつもりはありませんよ(笑)。あくまで可能性の話です。

文=井関庸介 写真=ジョナサン・ブルーム

PICK UP

あなたにおすすめ

合わせて読みたい