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Photo by Drew Angerer/Getty Images

画像・動画共有アプリ「スナップチャット(Snapchat)」の親会社スナップ(Snap)は、音楽ライセンスを取得して、ユーザーが音楽を投稿できるようにしたい考えだ。さらには、ヒット曲を誕生させることも狙っている。

ウォール・ストリート・ジャーナル(Wall Street Journal)紙の報道によると、スナップは、ソニー・ミュージックエンタテインメント、ユニバーサルミュージックグループ、ワーナーミュージック・グループと協議を進めている。音楽業界で最も消費されているジャンルはR&Bとヒップホップだが、この3社は、そうした人気ジャンルのアーティストとの契約数が最も多いレーベルだ。

スナップは、音楽業界に絡むこうした動きで、投資家に好印象を与えられるだろうか。また、ストーリー機能の追加でテリトリーを侵害してきたフェイスブック傘下のインスタグラムを撃退できるのだろうか。

SNSと音楽をめぐる背景

この分野は、競争がかなり激しいが、上昇トレンドにある。その好例が、ラッパー、リル・ナズ・X(Lil Nas X)の「Old Town Road」だ。ビリー・レイ・サイラス(Billy Ray Cyrus)がリミックスに参加したこの楽曲は、TikTok上のミームとして人気に火がつき、ビルボード100では9週連続1位となっている(6月11日現在)。

フェイスブックは2018年、大手レーベル各社とライセンス契約を締結している。広告売上の増加につながりうる方法において、またもやスナップに先んじていたことになる。

音楽ニュースサイト「カルチャーバンクス(CultureBanx)」は、レコード・レーベルとのライセンス契約の締結はスナップにとって必要不可欠だと指摘する。たとえば、ユニバーサルミュージックグループとその傘下にあるキャピトル・ミュージック、アイランド・レコード、デフ・ジャムなどのレーベルは、音楽業界最大のヒットメーカーに名を連ねるアーティストの著作権を所有している。リアーナやケンドリック・ラマー、ドレイク、ミーゴスのようなヒット曲を連発する面々が勢ぞろいしているのだ。

そうしたレーベルとのライセンス契約は、スナップが1億8600万人のデイリー・アクティブ・ユーザー(DAU)をマネタイズして広告収入を増やすうえでの最善策である可能性がある。調査企業「eMarketer」によれば、スナップチャットのアメリカにおける動画広告事業は、2021年には前年比で19.9%増え、7億2740万ドル(約789億円)に達すると見られている。ただし、スナップは動画広告事業に参入したものの、一般的に見れば市場全体におけるシェアは依然として小さく、動画広告費の大部分はフェイスブックが占めている。

ティーンを獲得する

スナップが音楽ライセンスを重視する主な理由のひとつに、若者世代における視聴パターンの変化がある。ソーシャルメディアで何が人気を集めるかを決定づけるという点では、多くの意味で、アフリカ系アメリカ人のティーンエイジャーが先頭に立っている。ティーンエイジャーと、彼らが好むテクノロジーは切り離すことができないが、AP通信とNORCアメリカ全国世論調査センター(Associated Press-NORC Center for Public Affairs Research)が共同で行なった調査によれば、アフリカ系ティーンエイジャーの実に10人中9人がスナップチャットを利用している。

アフリカ系ティーンは、スマートフォンを利用している可能性が最も高い。彼らが、スナップチャットのようなモバイルフレンドリーなソーシャルメディアアプリの最大かつ最も頻繁に利用するユーザーであるのは自然なことだ。

人気を失いつつある写真や動画のプラットフォームは、そうしたデモグラフィックを把握する必要があるだろう。米投資銀行パイパー・ジャフレー(Piper Jaffray)は2018年に10代を対象にして実施した調査で、ソーシャルメディアのティーンエイジャー競争においては、スナップチャットがわずかに優位に立っていることを明らかにした。10代の若者の83%が、スナップチャットを毎月開く「マンスリー・アクティブ・ユーザー」だった。インスタグラムの割合は82%だった。

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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