音声アシスタントの「盗聴」を心配する米国人は55%

(Rafael / EyeEm /by Getty Images)

Siriやアレクサ、グーグルアシスタントなどの音声アシスタントの普及につれ、これらのデバイスによる「盗聴」を懸念する人々も増えている。デジタルフォトフレーム企業のNixplayが行った調査によると、ミレニアル世代の60%、アメリカ人全体の55%が、広告の最適化のためにモバイル機器が盗聴を行っていると考えている。

「直前の会話内容に関連した広告が、モバイル機器に表示された経験を持つ人々は多い。人々はデバイスが日常的に盗聴を行っていると考えている」とNixplayの広報担当者は指摘した。

Nixplayは2019年春に、2003人のアメリカ人を対象にプライバシーと広告に関する調査を行った。フェイスブックによる大統領選での情報操作疑惑や、ケンブリッジ・アナリティカ問題により、人々のプライバシーに関する不安は高まっている。

「車の中でレクサスの話をしたら、直後にレクサスの広告が表示された」と南カリフォルニア大学のジュリー・オルブライト教授は2018年にフェイスブックに投稿した。

この投稿に対し、似たような経験をしたという投稿が多数あったが、フェイスブック側はもちろん否定している。

「マイクを使って会話を聞くことはない」とフェイスブックのプロダクト担当のStan Chudnovskyはリスボンで開催されたサミットで語った。「これは単純に、人々の先入観によって起きていることだ」と彼は話した。

「例えば、バナナを買わなくてはと話した直後にバナナの広告を目にすることは、単なる偶然として起こり得る」

一方で、Nixplayの調査では多くの人々が「プライバシー管理の実態が分からない」と不安を感じていることも指摘された。「プライバシーに関する知識がある」と答えた人は10%以下だった。また、アプリをダウンロードする際に、収集される個人データの内容を確認する人は全体の半分以下だった。

「友人や家族との思い出など、人々がシェアしたいデータは多いが、特に子供のプライバシーに関わるデータは慎重な取り扱いが求められる」とNixplayの創業者でCEOのMark Palfreemanは指摘している。

編集=上田裕資

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