「いつか現地を訪れることを願って」 難民を友人のように受け入れるNPO法人代表のファッション哲学 #UNDER30STYLE

WELgee代表 渡部清花

各ジャンルで優れた才能をもつ「30歳未満の30人」を選出する「30 UNDER 30 JAPAN」。彼らのライフスタイルに迫る連載企画「UNDER 30 STYLE」では、昨年と今年の受賞者たちがどう自らの「好き」を追求しているのかを明かしていく。


難民という背景をもつ若者の就労支援プログラム運営をするWELgee代表渡部清花のクローゼットは、日本ではなかなか手に入らない色鮮やかな服ばかりだという。彼女ならではのファッションの楽しみ方を聞いた。

━今日のお洋服もとてもお似合いです。いつもどんなところで買い物をしていますか?

日本の女の子たちがショッピングをするような場所へ服を買いにいくことは少ないです。(自身が着ている服を見ながら)これはバングラデシュで買った「サロワカミューズ」という服で、日本で例えると若い女の子たちがカジュアルな日に着るような服です。

私が滞在していたバングラデシュの先住民族地域では、ほとんどの人が機織り機で作るオーダーメイドの服を着ています。地域や民族によって模様や線の数が違ったりして、比べて見ると面白いんですよ。

先日、栃木県の大平町で開催された彼らの新年のお祭りに着ていった一着は、現地で作ってもらったものです。



黒ベースで赤青金色のラインが入っていて、ちょっと派手ですよね。でも、現地の人たちは「こんな地味なデザインでいいの? もっと柄やラインを増やそうか?」と、私のオーダー内容を聞いて物足りなそうな顔をしていました(笑)。現地で人気なデザインは、生地一面に模様がぎっしり詰まったものなんです。

そんな出来事を思い浮かべるながら服を着ることが、私にとってのファッションの楽しみ方なんです。
次ページ > 好きな洋服のテイストは変わっていない。

構成=裵麗善(ぺ・リョソン)写真=藤井さおり

タグ:

連載

UNDER 30 STYLE

ForbesBrandVoice

人気記事