次に、ホテルでの事例だ。例えば、中国の観光客が日本のホテルに滞在する際、チェックインした直後から、中国語でフルサポートをしてくれるアプリが魅力的だ。WeChatでQRコードをスキャンするだけでOKで、ダウンロードは不要。クリーニング、ルームサービスなどのオーダーもでき、支払いはWeChat Payで済ませ、サービスの完了予定時間も知らせてくれる。
加えて、日本側のスタッフは、日本語で返答ができる。アプリ内で自動的に中国語から日本語、そして日本語から中国語へと言語変換してくれるのだ。
もちろん、個別の質問や応答、顧客のアンケート調査にも丁寧に対応する。CRM(顧客情報管理)データも、その都度ホテル運営側が確認でき、サービス向上に活用することができる。2020年の東京オリンピックには世界中から観光客が訪れる。そういった状況に備えて、中国語だけでなく多言語対応も可能になる日も近いだろう。
社会の問題解決に貢献する信念
これらはほんの一例だが、全般的に使い易く、とてもやさしいという印象を受けた。
今回の取材では、海外展開も含めた事業戦略立案実行のリーダー二人に話を聞いた。ともにアメリカに留学し、ベンチャーキャピタルやJPモルガンなどの金融業界での経験があり、最新AI知識とビジネス面と両方を持ち合わせる、頭脳明晰なグローバルな「人才」だ。
しかも、優秀なだけではない。ZhuiYi Technologyの技術で、AIと人々の豊かなコミュニケーションを創造したい、そして社会の問題解決に貢献したいという、純粋な情熱と強い信念を持っている。
「AIエバンジェリストでありたい」という宣言は、高い志と正しい道を進んでいくという責任感なくしては、できないものだと思った。彼らのさらなる進化に期待したい。
連載:深センのリアルなキャリア事情
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