自動運転システムの「Aptiv」と配車サービスの「リフト」は、昨年5月からラスベガスでロボットタクシーの商用サービスのテスト版を開始し、先日、累計の乗車回数が5万回を突破したと発表した。AptivとリフトはBMWの5シリーズをベースとした、自動運転車両30台をラスベガスで走行させている。
これらの自動運転車はリフトのアプリから配車を依頼可能で、人間のセーフティードライバーが同乗して運行されている。アルファベット傘下のウェイモもフェニックスでロボットタクシーのテスト版を開始したが、利用できるのは事前登録した1000人のみとなっている。
Aptivでモビリティ部門を統括するKarl Iagnemmaはフォーブスの取材に「私たちのロボタクシーサービスは、一般に開かれたものとしては、世界最大規模のものだ」と話した。
「ラスベガスでリフトの配車を依頼した場合、運が良ければロボタクシーがやってくる。人間のセーフティードライバーが乗車しているが、運転は全て自動で行われる」
ラスベガスでのテストプログラムはホテルやカジノが立ち並ぶ、都市の中心部で実施中だ。ロボタクシーの料金は通常のリフトの配車サービスと同額だという。彼らが今後、ラスベガス以外でも同様なサービスを立ち上げるかどうかは明かされていない。また、セーフティードライバーが同乗しないテストを実施する時期についても未定という。
現状で米国の公道でロボタクシーのテストを実施中なのは、リフトとAptiv以外ではウェイモのみだ。GM傘下の自動運転企業「クルーズ」も2019年に類似した取り組みを始動すると宣言したが、現状では開始時期や実施場所は明かされていない。
ラスベガスはサンフランシスコと比較すると都市部の混雑度合いが低く、夜間の街路に繰り出す酔っぱらいにさえ注意を払えば、比較的安全に自動運転のテストが実施可能だ。
「道路を横切る歩行者には特に神経を使いつつ、自動運転システムを組み上げた。ラスベガスの歩行者たちは、走行する車に対して十分な注意を払わない場合も多い」とIagnemmaは話した。