ビジネス

2019.06.13

国ごとに異なる、スターバックス「デジタル戦略」の裏側

(左から)ネットイヤーグループ 須川敦史、スターバックス コーヒー ジャパン濱野 努、ネットイヤーグループ 石黒不二代

ネットイヤーグループ代表の石黒不二代が、企業のデジタルトランスフォーメーションを牽引されている方々を訪ねる本企画。今回はスターバックス コーヒー ジャパン デジタル戦略本部 本部長 濱野 努氏に話を伺いました。


スターバックスのデジタル戦略の全容

石黒:スターバックスさんでは、他社に先駆けてデジタルの取り組みを行ってきた印象がありますが、顧客とつながる手段としてのデジタル戦略の全容、また、御社にとって効果的なメディアやツールを教えてもらえますか?

濱野:デジタルでお客様とつながる手段として、最も大きいのはツイッターやインスタグラムなどのソーシャルメディアです。現在、ツイッターのフォロワー数は約450万人、インスタグラムのフォロワー数は140万人を超えているので、広告出稿を基本しないスターバックスとしては、大きなチャネルになっています。

それ以外には、モバイルアプリケーションと自社のWebサイトですね。特にモバイルアプリケーションに関しては、ロイヤリティプログラムを始めてから、想定を遥かに上回る速度で、多くのお客様にメンバー登録していただいており、プラットフォームとして成長している手応えを、非常に感じています。

石黒:昨年よりスタートした登録済のスターバックスカードで商品を購入すると、ドリンク、フード、コーヒー豆などの商品と交換できる「Star(スター)を集めることができるプログラム「STARBUCKS REWARDS」のことですね? やはり「STARBUCKS REWARDS」が与えたインパクトは大きかったですか?

濱野:そうですね。以前から「My Starbucks」という会員制度はあったんですけど、この1年で2倍くらいの会員数になりました。グローバルでも世界で1番のスピードで会員数が伸びた国になっています。

日本のお客様は、もともとロイヤリティーが高かったので、このようなプログラムを、非常にポジティブに捉えていただいているようです。特にクーポンを配布したわけでもなければ、広告を打ったわけでもなく、店頭と自社メディアのコミュニケーションだけで、ここまで多くのお客様にご利用いただくことになり、とても満足しています。


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文=石黒不二代

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