キャリア・教育

2019.06.10 17:00

「最も貧しい大統領候補」ピート・ブーテジェッジ37歳の生き方

ピート・ブーテジェッジ(Photo by Joe Raedle/Getty Images)

ピート・ブーテジェッジ(Photo by Joe Raedle/Getty Images)

米民主党の37歳のピート・ブーテジェッジは、4月に2020年の米大統領選に出馬を宣言し、ミレニアル世代の大統領候補として大きな注目を集めている。

「私は米中西部のミドルクラスの家庭に生まれ育った」と彼は先日のCNBCのインタビューに応えた。フォーブスはインディアナ州のサウスベンド市長を務めるブーテジェッジの保有資産が、約10万ドル(約1000万円)であると試算している。

ブーテジェッジは2020年の大統領候補の中では、最も資産が少ない人物の一人だ。ハーバード大学で歴史と文学を専攻した彼は、高給で知られるマッキンゼーのアナリスト職を2010年に離れ、米国の繁栄から取り残された「ラストベルト」の故郷、インディアナ州に戻り州財務官の選挙に27歳の若さで出馬し落選した。

税務書類を確認すると、当時の彼の年収は15万ドルから3万4000ドルに急落していた。その後、人口わずか10万人のサウスベンド市長に立候補した彼の年収は、2011年に7000ドルにまで下がっていた。ブーテジェッジは2009年には海軍予備軍でも働いていた。

「自分には健康保険もあったし、少ない額ではあったが海軍からの収入もあった。でも、月額400ドル程度では家のローンの支払いも難しかった」とブーテジェッジは2019年の自伝「Shortest Way Home」に書いている。

2012年に市長の職を得た彼は毎年10万ドル以上の収入を得ることになったが、2014年の年収は4万6000ドルまで落ち込んだ。この年に彼は、市長の仕事を休職しアフガニスタンで従軍した。戦地で7カ月を過ごした彼は、帰国後に同性愛者であることを公表した。

フォーブスはブーテジェッジが市長としての給料以外に、著書の印税の前払金3万ドルを受け取ったことを確認した。また、8万7000ドルから30万ドル相当のグーグルとアップルの株式を彼は保有している。

ブーテジェッジの最大の資産は故郷のインディアナに購入した住宅だが、フォーブスの試算で、彼は約15万ドルのローンの残額を抱えている。また、彼と彼の夫で元学校教師のChastenらは二人で11万ドルから24万5000ドルの学費ローンの残債を抱えている。

昨年の二人の合計年収は15万3000ドル近くだったが、2019年の年収はさらに伸びそうだ。ブーテジェッジの著書は2月に発売され、今後はロイヤリティも入るほか、残りの前払金4万5000ドルの支払いも受けられる。

ただし、二人の年収は再び下落する見通しだ。Chastenは今年に入り教師の職を辞めており、ブーテジェッジの市長としての任期は今年の年末で終わる。ブーテジェッジは大統領候補でありながら、職探しの必要に迫られるかもしれない。

編集=上田裕資

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