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アルフォードはインスタグラムへの投稿で、インターネットとの接続を絶つことで、世界と再びつながるよう頻繁に助言している。「不思議に思う人もいますが、私は一度も海外のSIMカードを使ったことがありません。何か必要なときは、周りの人に話し掛けます。こうした場所を訪れる機会はとてもありがたいことなので、できる限り今を感じるようにしています。1秒も無駄にしたくありません」


ベネズエラにて。@lexielimitless

アルフォードによると、世界を旅する中で最も印象的だったのは、意外であり、しばしば危険でもある国を訪れたことだった。「非常に評判が悪く、人が行こうともしない国に好奇心を刺激されます」と彼女は語る。「パキスタンやベネズエラなどでは、普通の旅先よりもとても多くの優しさや美しい自然を体験できました。何も期待していなかった場所で大きな感動を得るものを見つけたことが、このプロジェクトで最も充実した部分でした」

アルフォードが最も苦労したのは、アフリカの西部と中部を旅した時で、ビザ取得の難しさや、観光インフラの不足、言語面での障壁、旅の安全を確保する費用の高さなどの問題に直面した。「フライトやホテル、英語が話せるガイドが少ないため、業者が市場を完全に独占しています」とアルフォード。「(過酷で危険なバス以外の)選択肢は多くないため、こうした企業はどんなに法外な値段でも好き勝手に設定できます。こうした地域を旅することで、私がそれまで経験してきたどんな出来事よりも度胸をつけることができました」


サウジアラビアにて。@lexielimitless

もう一つ困難を極めたことは、最後まで残っていた国、北朝鮮への渡航だった。米国による渡航禁止措置をどう回避するかを数年間模索した末、北朝鮮に足を踏み入れるための抜け穴を発見し、ついに今年5月、同国を訪れる機会を得た。ギネス世界記録の指針では、非武装地帯(DMZ)の共同警備区域(JSA)にある有名な「青い小屋」こと軍事停戦委員会会議場に入り、会議室の北朝鮮側部分に立てば、北朝鮮を訪れたことになるとされている。

アルフォードは「政治問題で北朝鮮をきちんと訪れることができなかったのは正直とても残念だけれど、米国の渡航禁止措置が解除され次第、もう一度訪問します」と語った。

アルフォードは現在、ギネス世界記録に対して1万点近くの旅の証拠品を時系列順に提出するプロセスを進めているが、196カ国目を訪れた日、記録への挑戦は終わった。

北朝鮮を訪れたとき、アルフォードはある一つのことを感じたと語った。「ほっとしました。私はそれまで半年以上、世界でも特に渡航が難しい国々を訪れるに当たっての障壁を乗り越えようとして、大変な不安を感じていました」とアルフォード。「ほかのどんな場所よりも、あの薄暗い会議室に入る瞬間まで、自分がどれほど大きなことを達成したかということに実感が持てませんでした」


トルクメニスタンの地元住民と。@lexielimitless

編集=遠藤宗生

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