5月31日には内覧会が行われ、同コンテストの主催者、World Photography Organisation のCEO であるスコット・グレイ氏が登壇した。
かつて欧米でファッション・アパレル業界に身を置いていたグレイ氏は、その後いくつかの国際イベント立ち上げ、それを機に、活動の幅を写真に広げた。現在は、世界中の写真家たちに、国際的な活躍の場を提供する活動をしている。
SWPAは、ソニーが支援し、写真文化の継続的な発展を目的にした写真コンテストだ。2007年に始まり、6月1日より募集を開始したSWPA2020で通算13回目を迎える。入賞者には賞金や賞品をはじめ、英国・ロンドン写真展での展示や年間図録への掲載、そして世界規模でメディアに紹介される機会が与えられる。
インスタグラムは大きな第一歩、写真コンテストを開催する理由は
今回の写真展にてグレイ氏が気に入った演出 Message Board powered by Xperia Touch
グレイ氏はSWPAを積極的に開く2つの目的について語った。
一つは、「より多くの人に写真展へ足を運んでほしい」という思いによるものだ。
近年インスタグラムなどSNSを通じて、誰でも綺麗な写真を簡単に投稿し閲覧できるようになった。レンズ交換式カメラやウェアラブルカメラなど、専門家でなくても本格的なカメラを持つ人が過去に比べ増えている。
グレイ氏によるとインスタグラムは「写真展に訪れるファーストステップ」である。写真に触れ興味を持ってもらう初期段階はSNSでクリアできる。しかしその先にある「写真が持つメッセージ」は写真展でしか感じることができないと強く主張した。
インスタグラムと写真展の違いについては、東京国際写真祭のディレクター、速水惟広氏も「写真との関わり方が違う」と言う。
「閲覧する時間やサイズにおいての違いが例として挙げられます。スマホやタブレット上だと一枚の写真に留まる時間が短く、サイズも小さい。一方写真展では、作者が見せたいサイズで観覧者たちを楽しませることができますし、よりゆっくりとした深い鑑賞体験を提供することができます」
実際に写真展に行くことで、写真家が手がけた作品の雰囲気や思いを、目で感じたりキャプションを読んで味わうことができるのだ。
同時に多くの問題や奇跡に気づかされ、学びにも繋がる写真展の魅力をもっと知ってほしい、これがグレイ氏の思いである。