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「クロスフィット」のグレッグ・グラスマンCEOは、フィットネス事業を成功させるためのこれまでの常識を大きく覆した。グラスマン氏は、クロスフィットに自身のイメージをそのまま反映させることで同ブランドを大きく成長させたのだ。

 ニューヨークにあるクロスフィットのジムでグラスマンに初めて会った時、私は「この人物は典型的なジム愛好家ではない」と直感した。特に筋骨隆々という訳でもないし、日焼けもしていない。それどころか別段、健康的だという印象すら受けないのだ。そんなグラスマン氏が、運動管理法やビジネスモデルを説明する際、フィットネス関連の専門用語が一切出てこないことに私は気づいた。

 クロスフィットは日替わりのワークアウト動画を無料で配信している。同社の売りは運動の成果が出せることであり、余計な営業トークは必要ない。現在、クロスフィットのジムは世界中で11,000店舗。9年前の22倍の規模に成長した。もはやフィットネス業界のカルト教団とも言える人気を誇るクロスフィットは、年間40億ドルもの売上を生み出している。

 クロスフィットの主な収入源は、ジムの経営者から集める年会費3,000ドルとセミナー受講料の1,000ドルだ。セミナーでは経営者らにクロスフィットの哲学をレクチャーし、9つの基本運動(スクワットやパワーリフティングなど)の説明を行う。さらに、日替わりワークアウトメニューの作成方法、初心者に対するケアの方法などを教えている。

 クロスフィットはスポーツ大会「リーボック・クロスフィット・ゲーム」を主催することでも有名だ。ESPNで放送されるこのイベントの賞金総額は200万ドル。昨シーズンの週末には12万人以上の観客が声援をおくった。この催しは同社にさほどの利益はもたらさないものの、強力なブランド・アピールにつながっている。

 クロスフィットのビジネスモデルが素晴らしいのは、ごくわずかな資本で成り立っているということだ。余計な在庫や多数のスタッフは必要としない。ちょっとしたITの知識と、ブランドの不正利用に対処するための優秀な弁護士らがいればいい。そんなシンプルなやり方で、彼らはその汗の結晶とも呼べる、素晴らしいバランスシートを生み出しているのだ。

文=マイク・オザニアン(Forbes)/ 編集=上田裕資

 

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