ビジネス

2019.06.15

増えるZ世代の起業家 イノベーションの鍵はロボット教育

「Robotex International Conference」では子どもたちがロボットを通じてテクノロジーの真価に触れる。


立ち上げからまだ1年にも満たないロボテックスジャパンは、企業や団体を巻き込み、日本各地で子ども向けワークショップや学生・企業合同のミートアップ、ゼミナールを精力的に開催し、子どもたちへイノベーションの機会を提供しています。


東京・品川のマイクロソフト本社で行なった、子ども向けのロボットアイデアソンでは、子どもたちの自由な発想が光った。

最先端のテクノロジーを取り入れる一方で、フェスティバルをはじめとしたオフラインイベントも行う。その理由について齋藤氏は次のように語ります。

「テクノロジーによって誰もがイノベーションの機会を得られることは素晴らしいことだと思っています。その反面、テクノロジーがすぐ側にあることで身を持って体験する機会が減り、クリエイティビティが育ちづらくなっている傾向が見られます。

デバイス画面に流れるストーリーと、現実世界で実際に起きていることはまったく違います。SNSでフォロワーだけのタイムラインの中にいて、最適化された広告が出て……。広い世界にアクセスしていたはずが、いつの間にか情報が遮断されていき、狭い世界の中にいた、ということが起こりえるんです。

オンラインにすべての答えがあると思ってしまうと、そこで創造性が止まってしまいます。オンラインとオフライン両方にバランスよくアクセスできる仕組みを作り、創造性と多角的な視点を育むことも大切なことでしょう」

イノベーションのトリガーになるのはロボット


Impact Hub Kyotoでのワークショップでは、人型ロボットPLEN mini 2の制作とプログラミングを子どもたちが行なった。

では、日本の学校教育をイノベーションに繋げるにはどうすればいいのか。齋藤氏は、「学校教育においてイノベーションに必要な創造的思考を養うためには、ロボットをいかに活用するかがポイントになってくる」と言います。

「実際に触れることができる有形のロボットは、パソコンやスマートフォンを介した映像や文字情報よりも効率的にソフトとハードの両面を学ぶことができ、創造的思考と論理的思考もバランスよく鍛えることができます。さらに、ロボットにしかできないことを追求することはすなわち、人間にしかできないこと、人間ならではのクリエイティビティを追求すること。ロボットとともに学ぶことで真のイノベーションを見出すことができるのではないでしょうか」
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文=佐藤祥子

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