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一休代表取締役社長 榊淳

高級ホテル・旅館・レストランなどの専門予約サイトを運営する一休。高校まではサッカー、大学ではアイスホッケーに打ち込んだ社長の榊 淳に、いまハマる趣味と経営との関係について聞いた。


弊社「一休」は、ラグジュアリーに特化した宿泊予約で事業をスタートし、現在では高級ホテル・旅館、プレミアムなビジネスホテル、世界のラグジュアリーホテル・リゾートなどの予約に加え、国内の厳選されたレストランの予約なども提供しています。私はアリックスパートナーズ時代にコンサルタントとして一休を担当。2013年に入社し、16年2 月、創業者・森正文の退任に伴い、代表取締役社長に就任しました。

経営者として普段気をつけているのは、数にとらわれない思考をできる限りすること。売り上げ、社員の満足度、口コミのスコアはいざしらず、偏差値や年収など、数字というものは非常にわかりやすい指標となります。ただし、それらと評価を一緒くたにすると、経営を見誤る。確かに売り上げがないと会社は生きていけませんが、お客様に愛されなければ会社の未来はないので、ユーザーファーストという視点を失わないよう努力しています。

趣味の時間は、そういう視点を醸成するのに役立っているかもしれません。最近ハマっているのは、スパイス料理です。これまでにも紅茶、珈琲、ワインとハマってきましたが、今回は格別(笑)。もともと東京・押上の「SPICE Cafe」に行ってから夢中になって、その店の監修本とスパイスを買い込み、雨の休日のたびに挑戦しています。妻には「SPICE Cafeの3割程度の完成度」と言われていますが(笑)、つくるのが本当に楽しい。マスタードの粒、クミンシード、タマリンド……、出汁をとらないのに料理が味わい深くなるスパイスって魔法のようだと思います。一方で、投入するタイミングを逃せば、スパイス本来の力をすべて発揮させることが難しく、会社経営のようだなと(笑)。

晴れの休日はゴルフか自転車ですね。2年前にロードバイクを購入し、妻とよく走っています。大学時代はマウンテンバイクに乗っていて、ヨーロッパまで持参して旅をしたことも。スイスの山のロープウェイはだいたいどこも自転車を乗せてOKで、上から下まで滑走するのが最高に気持ちいいんです。マッターホルン、グリンデルヴァルトのアイガートレイル、モンブランの麓にあるリゾート地シャモニー、チロル地方、イタリア北東部のドロミーティなど回りましたが、自転車の良さはなんといっても見える景色のスピードを自分で調節できるところ。それに匂いもわかるし、音も聞こえるところ。僕はその一つひとつの“ディテール”が好きなんだと思います。

もともと大学でコンピュータサイエンスを専攻していたのですが、そういうディテール好きというのは、自分の経営にもよく現れていますね。いまも社員とともに検索のプログラミングを構築したり、日中は自席でコーディングしていたり、週に1回はAIジョブカレに通って、機械学習とディープラーニングを学んでいます。社員も一丸となっていいサービスにしたいと思っていますが、僕自身も強く思っているんです。「社長である以前に、会社に貢献するひとりの社員であれ」というのが僕の社会人たる前提と言えるかもしれません。

堀 香織 = 構成 yOU(河崎夕子)= 写真

VOL.24

電線からキャビアの養殖まで 今を生き抜く超...

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