先ごろ発表された「2019年デロイト ミレニアル年次調査」によると、この世代は「伝統的な制度に幻滅しており、企業が事業を行う動機に懐疑的であり、経済と社会の発展に関して悲観的だ」。
不安と悲観
調査結果によれば、ミレニアル世代とZ世代は自分自身の人生とキャリア、そして世界について不安を抱き、これらを悲観している。
特にミレニアル世代は、伝統的な社会制度、マスメディア、そして社会が発展しないことに不満を持っている。また、仕事や政府、ビジネスリーダーたち、ソーシャルメディア、自分自身の個人情報の使われ方に嫌悪感を持っている。
この世代はまた、リーダーたちを信用したがらない。特に、自分たちの世代の価値観や政治的考えに合わない企業の経営者たちをなかなか信用しないという。
主な調査結果
調査では42カ国・地域のミレニアル世代(1983~1994年生まれ)1万3416人のほか、10カ国のZ世代(1995~2002年生まれ)3009人から回答を得た。回答者のうち、失業中の人、大学の学位を取得していない人がどちらも3割程度を占めていた。
・願望について
実現したいこととして、ミレニアル世代の最も多くが挙げたのは、「(世界を)旅行する」だった(57%)。2位以下は、「裕福になる(52%)」、「住宅を購入する」(49%)、「社会に良い影響を与える」(46%)、「家庭を持つ」(39%)だった。
「裕福になる」と答えた人は2番目に多かった一方で、回答として挙げられた願望の中で、「実現可能」だと考える人は最も少なかった。
・経済を悲観
経済の先行きに対する見方は、過去6年で最も悲観的になっていた。自国の経済が向こう1年以内に改善すると考える人は、約26%だった。過去2年の調査で同様に答えた人は45%だったことから、大幅に減少していることが分かる。
お金に関する自分自身の状況については、1年後には悪化している、または現在と同じ程度と考える人が50%を超えていた。