ビジネス

2019.06.06

ネットフリックスが債務を増やしてもつぶれない理由

(Photo by Chesnot)


競争力を高める“堀”を作る
 
固定費の高さは、他企業がこの分野に参入する障壁となる。ビデオオンデマンド分野には、こうした障壁が多く存在する。他の種類のメディアの収入源が崩壊する中、貴重な代替分野で成長を求める企業は増えている。
 
ネットフリックスがコンテンツに投資する資本は、同社の“堀”建設を加速するだけでなく、その幅を広げることになる。これこそ、定額制動画配信のシェア獲得を狙う他のメディア企業がネットフリックスの事業モデルをまねできない理由だ。ネットフリックスは、最大限契約者を増やすことに取り組むべきだ。
 
ネットフリックスが現金を制御する必要があることは無視できない。最高財務責任者(CFO)を最近採用した理由はこれにあるとも推測されている。しかし、ネットフリックスのパフォーマンスをこの基準だけで判断することはできないと私は思う。ネットフリックスが同社の他の戦略や事業の中でそのリソースをどのように活用しているのかを見ることが重要だ。
 
ネットフリックスはデータに基づいて行動する企業であることを証明してきた。その同社が、たとえ評判は悪くてもある特定の財務的選択をしたのであれば、その裏には説得力のある理由が存在するとほぼ確信できるだろう。

編集=遠藤宗生

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