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Forbes JAPAN Web編集部


完璧志向の「チーム」を動かすには、どれだけ説得力のある「言葉」で語れるかが鍵

プレイヤーとして自身が完璧を目指すだけでなく、一緒に仕事をする人間にも、完璧を求めさせてきました。僕がいちばん「完璧とは何かを見せたい」と叫んだのは、2017年に上演した完全オリジナル作品『クレオパトラ』のとき。ストーリーも脚本も僕のオリジナルだったし、絶対に成功させたいという気負いもありました。ただ、作品は完璧でも、照明がズレたり、ダンサーが失敗したりしたら、もう完璧ではなくなってしまう。自分自身の手から離れたところで「誰かに委ねる完璧な領域」は、実現するのが何倍も大変です。

ダンサーである時は、どんなに御託を並べようが戯言を言おうが、最終的に舞台に立って喝采を浴びるパフォーマンスさえすれば、それだけで説得できました。ただただ輝いている背中を見せていればよかった。けれど、芸術監督や経営者としてプレイヤーを動かす立場になったいま、ダンサーや舞台関係のスタッフだけでなく、世代の離れた事務員や幹部たちを動かすには、もう「言葉」しかない。みんなを説得して動かせる「言葉の力」が、どうしても必要になってくるんです。

イチローさんもそうですが、何かの道を極めて突出した成績を叩き出した人間は、振り返れば「言葉の宝庫」なんですよね。自身がトップを歩み続けるなかで得られたメソッドや考え方が、満ち溢れる自信の後ろ盾となり、説得力のある言葉が生まれるわけです。

理念や信念を持っている「だけ」の人はたくさんいるでしょう。言葉だけがやたら巧みな人もいるかもしれない。でも、実際にその道で完璧を目指して邁進し、トップの景色を見たことがなければ、いくら素晴らしい言葉を使っても、相手を動かすだけの説得力は生まれない。「やってないじゃない」「ただ言ってるだけ」ということになるからね。

だから僕も最初から言葉にするのが得意だったわけじゃない。バレエという芸術に言葉はいらないから。目標や夢を言葉にすることもしない。戦略を立てるよりも、「本当にやりたい」と思ったことをやってきただけ。

バレエという芸術を事業化。次世代スターダンサーを育てる循環システムを確立

Kバレエ カンパニーの旗揚げから20年経ったいま、僕たちは会社として多くの事業を展開しています。プロとして興行するKバレエ カンパニー作品の企画・制作・運営・プロデュースはもちろん、次世代ダンサーを発掘するジュニアカンパニーのKバレエ ユース、スクール、そして大人のための趣味バレエなどのスタジオを全国6箇所で運営。さらに、踊るための音楽を追求したバレエ専門のオーケストラを所有し、スクールのレッスンでは正社員のピアニストが生伴奏をつけています。

文・構成=松崎美和子 写真=小田駿一

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