環境破壊をゼロにする「食べられるボトル」を作った英国企業

(Photo by Karwai Tang)

今年のロンドンマラソンの参加者に配布されたスポーツドリンクの容器は、従来のペットボトルに置き換わる、海藻でできた「食べられる袋」だった。
 
4月28日に開催されたロンドンマラソンでは、ペットボトルの削減を目指した海藻パウチの配布キャンペーンが行われた。同大会はこれまで、マラソンの終了後に約4万人のランナーが投げ捨てたペットボトルの処理に苦戦していた。
 
しかし、今年の大会では約20万個のペットボトルをスポーツドリンク入りの革新的な海藻パウチに置き換えた。この海藻パウチ「Ooho」を作ったのはロンドンに本拠を置くスタートアップの「Skipping Rocks Lab」だ。
 
Oohoは歯で袋を噛み切って液体を飲めるプロダクトで、袋も食べることができる。また、このプロダクトは捨てられてもすぐに分解が進むようになっている。
 
2018年のロンドンマラソンでは91万9000本以上のペットボトルが使用されたが、2019年大会ではペットボトル約70万本と海藻パウチ20万個が使用された。70万本のペットボトルも回収やリサイクルが行われた。
 
Skipping Rocks Labはワカメから色や臭い、味を取り除いて海藻パウチの素材を作った。ワカメは1日に最大1メートルも成長し、真水や肥料も必要がないという。
 
パウチは食べられなかったとしても4~6週間で分解される。同社はこの素材を使って水や食料を入れるパウチを作り、音楽フェスでスポーツドリンクやアルコールの容器として使われたこともある。
 
ペットボトルは深刻な環境問題の原因として知られている。ペットボトルの91%が使い捨てにされ、ほとんどが埋め立て地や海に運ばれている。

編集=上田裕資

ForbesBrandVoice

人気記事