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2019.06.05 07:00

グルーポン創業者の「ガン治療」企業、評価額30億ドル突破

Busakorn Pongparnit / shutterstock.com

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米シカゴ本拠のヘルステクノロジーのスタートアップ「Tempus」が5月30日、新規で2億ドル(約215億円)を調達し、評価額は31億ドルに達したとアナウンスした。Tempusは2015年にグルーポン共同創業者のEric Lefkofskyが設立した企業で、これまでに累計5億2000万ドルを調達している。
 
今回の資金調達を主導したのはT. Rowe Priceで、New EnterpriseやNovo Holdings、Revolution Growthらも出資に参加した。Lefkofskyも個人の資金を注いでおり、彼はこれまで累計1億ドル以上を出資している。
 
Tempusはヘルス関連のデータ企業であり、ガン治療関連の臨床データを収集し分析を行っている。同社はデータをライブラリ化し、今後のヘルスケア分野に役立てようとしている。臨床医師や研究者らは同社のデータにアクセス可能で、治療法の研究に活用可能であるとTempusは述べている。ただし、同社のサービスが実際にどのような効果をもたらしたかは、開示されていない。
 
Tempusによると、同社は米国のガン治療センターの70%と提携を結び、ゲノムシーケンスのデータを提供中だ。しかし、この分野では競合も多く、昨年夏にロシュ・グループに買収されたFoundation Medicineがメインプレーヤーとして知られている。
 
Tempusは今回の調達資金で事業エリアを拡大し、ガンだけでなく抗不安薬や糖尿病治療薬の開発に乗り出すという。Lefkofskyは声明で「当社はこれまでガン診断を受けた患者のケアにフォーカスしてきた。医療分野から高い評価を得てきたことを誇りに思う」と述べた。
 
現在49歳のLefkofskyは、妻のLizが乳ガンと診断された後に同社を設立した。フォーブスの昨年の取材に彼は「妻の病気をきっかけに、この分野では患者のケアに必要なデータが少なすぎることを知った」と述べていた。
 
オンラインのディスカウントサービスとして知られるグルーポンは、2011年に上場を果たしており、Lefkofskyは同社の共同創業者として有名だ。彼は現在もグルーポンの会長を務めているが、ほぼ全ての時間をTempusの経営に注いでいる。
 
フォーブスはLefkofskyの資産額を24億ドル(約2600億円)と試算している。

編集=上田裕資

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