ビジネス

2019.06.05

すべては「私」からはじまる──「世界で最も刺激的」なビジネススクールの教え

KAOSPILOT(カオスパイロット)のデイビッド・ストークホルム(左)とポール・ナトープ(右)

「リーダーシップ教育の最前線」と世界で話題のビジネススクールが、次世代を担うリーダーたちを輩出するために用いている「哲学」とは。


世界中が注目し、「世界で最も刺激的」と呼ばれるビジネススクールがある。デンマークのビジネスデザインスクール・KAOSPILOT(カオスパイロット)だ。同校が提供する多様なリーダーシップ・プログラムの一つに、「クリエイティブ・リーダーシップ・プログラム」がある。同校での3年間のプログラム以外にも、日本をはじめ世界各地で開催される9日間のプログラムも行われている。

「まず、最初にビジネスカードを渡すんだ。カオスパイロットチームの一員であるとともに、『あなたは何者ですか?』と問うために」

そう話すのは、同プログラムの共同開発者兼プログラムディレクターであるデイビッド・ストークホルム(写真左)だ。クリエイティブ・リーダーシップとは、「人とアイデアを成長させるために創造的なコラボレーションを導くことができるスキル」。プログラムは、1. 自己、2. チーム、3. 結果にフォーカスした3つのモジュールからなるが、最初のモジュールの名前が象徴的だ。

「It starts with you(すべては「私」からはじまる)

「クリエイティブ・リーダーシップを身につけるための第一歩は、自分を徹底的に掘り下げることからはじまります」

同じく共同開発者であるポール・ナトープ(写真右)はそう指摘する。プログラムでは、最初のモジュールの目標を次のように設定する。

「チームにおける自身の影響力を知り、明確なコミュニケーションを築く方法を理解すること」「チームの中で『信頼とコミットメント』を築く方法、プロセスにおいて多様性を強みに変える方法を知ること」「クリエイティブ・リーダーとしてどうあるべきか、どう振る舞うべきかについて、経験と洞察を得ること」

デイビットは次のように話す。

「リーダーとしてどのように振る舞うか。どのように仲間を信頼するか。チームにおける自分の影響力をどのようにとらえるか。他者との関係の中における『自分』のあり方を理解しなければなりません。チームメンバーに対して誠実であるためには、まずはあなたが『あなた自身』でなければいけません。すべては『あなた』からはじまります」
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文=フォーブスジャパン編集部 写真=武耕平

この記事は 「Forbes JAPAN 100年「情熱的に働き、学び続ける」時代」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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