経済・社会

2019.06.05 06:00

「関税マン」トランプ、対メキシコ関税で大統領再選は困難に?

(Photo by Chip Somodevilla/Getty Images)


トランプは自ら再選の芽をつぶした?

全体として見れば、メキシコ製品に対する関税措置は最終的に、これまで一貫してトランプを支持してきた多くの人に犠牲を払わせる政策となる可能性が高い。
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米商工会議所(伝統的に共和党寄りとされてきた)は30日、「メキシコからの輸入品への追加関税は全く誤った行動だ」との声明を発表。関税を支払うことになるのは米国の家庭と企業だとして、トランプの計画を非難した。

これまで大半の政策についてトランプを支持してきた与党・共和党の重鎮、アイオワ州選出のチャック・グラスリー上院議員もまた、メキシコに関税を課すことは大統領権限の乱用だとの考えを示唆している。「貿易政策と国境警備は別の問題だ」という。

グラスリーはさらに、対メキシコ関税は対中貿易問題の解決に向けた機会を妨げるものにもなり得ると指摘する。米レイモンド・ジェームズ・ファイナンシャルの公共政策アナリストも、トランプの行動は「米中間の貿易問題をさらに悪化させる」との見方だ。
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中国政府関係者は、貿易相手国(のトップ)としてのトランプの信頼性に懸念を表明している。USMCAに大幅な前進があったことを発表したその日に、トランプはメキシコへの関税措置を発表した。米国は協定を結んでもそれに従わないのだと思えば、中国は米国との交渉を続けるだろうか?

米国を訪れた中国人観光客は昨年、2003年以来、初めて減少し、前年比マイナス5.7%となった。2大経済国間の貿易を巡る緊張が、大きな要因と考えられる。

編集=木内涼子

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