ビジネス

2019.06.07

創業から7年、経営体制を刷新。新旧代表が語った、「コネヒト」の過去、現在、そして未来

代表取締役社長を退任し、顧問となる大湯俊介


また、コネヒトを経営する上ではサービス、ビジネス、組織、技術、社会性、KDDI連携という6つのバランスを常に意識してきたのですが、この一年で各領域を任せられる人物が育ちました。そして最後に事業の状態が良いこと。これらが揃うのは5年に1回くらいの周期で来るか、来ないかのタイミング。会社の歴史に残る最初のバトンパスだからこそ最高なものにしないといけない。会社のみんなにとっても、ママリにとっても、親会社にとっても最適なタイミングだと思ったんです」(大湯)

なぜ、大企業KDDI社員がスタートアップの社長に選ばれたのか?

事業の0→1から1→10までを担ってきた大湯。その後を継ぎ、事業の10→100を担う存在として、白羽の矢が立ったのが北吉竜也だ。彼は2006年にKDDI入社後、Syn.構想の戦略策定から15社の企業連合の構築、そしてSupershipの立ち上げやM&Aを推進してきた人物。


新たにコネヒト代表取締役社長に就任した北吉竜也

北吉がコネヒトと接点を持つようになったのは、2016年6月のこと。M&A担当として、同社のKDDIグループ入りを推進したことが、きっかけとなる。

「大湯さんとは週1、2回、多いときは毎日ディスカッションするなど、定期的に会って話を進めていました」と北吉は語り、コネヒトがグループ入りを果たした後もKDDI側の人間として、KDDI協業の提携、課金事業立ち上げ、KDDIの子会社化を推進するなど、同社を陰から支えてきた。

2016年にグループ入りを果たし、2019年3月末に子会社化。ここ数年の間でコネヒトとKDDIとの関係性はより深くなり、協業するケースも増えてきた。その一方で、スタートアップと大企業という間柄であるため、仕事の進め方も異なる部分が多い。

その点において、KDDI側の社員として大企業での仕事の進め方を理解しながらも、ハンズオンでスタートアップを支援してくれる北吉の存在は大湯にとって、大きかったという。

「今後、より大きなことを仕掛けていくにあたって、KDDIとの協業はもっと壮大なものになっていくと思います。そうなったとき、KDDIという会社について熟知した人間が旗を振っていないと必ずやりきれない面が出てくる。お互いの架け橋となる存在が必要だと考えていて、その点で北吉は適切な人材ですし、バトンパスできる人材は彼しかいないと思いました」(大湯)
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文=新國翔大 写真=小田駿一

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