グーグルの接続障害で明るみに出た「一極集中」の危険性

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グーグルの接続サービスは世界のインターネットにおいて最も利用度が高く、信頼されている。同社のサービスがほんのわずかな時間でも停止すれば、大きな混乱が生じることになる。

米国時間の6月2日、GメールやG Suite、ハングアウト、ユーチューブなどのグーグルのサービスが利用できないという声が米国東部のユーザーからあがり、グーグルは「一連の問題を調査中である」との声明を発表した。

グーグルのサービスにトラブルが発生したことにより、同社のインフラのGoogle Cloud PlatformやCompute Engineを用いる様々なサービスに影響が広がった。

スナップチャットやVimeo、Discordなどにも影響は及び、多くのユーザーがログイン出来なくなった。問題が生じたエリアは、米国東部やヨーロッパ東部が主だった。

しかし、グーグルは約5時間足らずでこの問題を解決した。今回の事象はネットワークの混雑が原因で発生したもので、グーグルは類似したトラブルが今後発生しないよう、システムの修正を行っていくとしている。

サービスの停止が広範囲なアプリに及んだことで、多くのサービスがグーグルに依存していることのマイナス面が明るみに出た。比較的小さな問題が、インターネット全体に多大な影響を及ぼしてしまうのだ。

どんな企業であろうと、トラブルと無縁では居られないものであり、グーグルは以前もこのような問題に直面していた。これまでで最も謎めいた事象として知られるのが2018年11月に発生した、グーグルのCloud Platformの接続の問題だ。

その際は、ナイジェリアのISPが設定を誤ったことが原因で、グーグルのグローバルトラフィックが一時的にロシアや、中国のチャイナ・テレコム経由になっていた。

編集=上田裕資

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