あなたはどこで働きたい? 女性の働き方を本気で考えた4社の独自制度

左から、永井裕美子(株式会社LiB)、稲垣みずほ(株式会社オークローンマーケティング)、簑田咲(サイバーエージェント株式会社)、谷村江美(株式会社サニーサイドアップ)


「バリキャリ」以外のロールモデルを見つける

実施企業:サイバーエージェント

Amebaブログやインターネット広告などを手がけるサイバーエージェントには、「CAramel(カラメル)」という部署を横断した女性社員の組織がある。カラメルのミッションは「たくさんの女性社員が絡める(カラメル)場を作る」ことだ。

社員約5000人のうち3割が女性のサイバーエージェントは、社員数も増え様々なフェーズの女性社員が増えてきた。そこで「バリキャリ」だけではない新しいロールモデルを増やそうと社内から声があがった。

活動内容は、トークセッション、社内報、ランチ会などで、とにかく「交流」を大切にしている。社内で働いている人材を活かしながら、問題や悩みを抱え込まないような仕組みづくりができている。

ランチ会も、ただ女性たちが部署を横断して集まるだけでなく、悩みや属性別のシャッフルランチを企画運営している。また、キャリア以外のも「心」のメンテナンスのニーズが高いことから、「自律神経」をテーマとしたセミナーイベントも開いた。

組織を運営する上で、一番難しいのは継続することだ。「CAramel」はオリジナルグッズを作成したり、経営陣から褒められる機会を用意したり、組織の持続性にも力を入れている。日々の業務で忙しいメンバーが「CAramel」を運営するモチベーションを保つためだ。社員発の組織だからこそ、重要なことだった。



罪悪感を持たない「制度の作り方」


実施企業:LiB

女性の転職や働き方を支援するLiBは、週4日勤務、フレックス制度、リモートワーク、など柔軟な働き方の制度が整っている。女性社員だけでなく、男性社員も積極的に家族との時間をとるために制度を利用している。

LiBの工夫で面白いのは、制度を作るだけではなく、使いやすい制度かどうかを検証しているところだ。制度があっても、実際に使われなかったり、使いづらかったりすることはよくあることだ。

例えば、小さい子どもを持つ親が子どもの熱で急遽リモートワークに切り替えなくてはいけない時。急な発熱でその日の外出予定や社内打合せを全てキャンセルしなくてはいけないことから、罪悪感でいっぱいになる人が多い。上司やチームメンバーに説明するときも謝罪の言葉が並べられている。

しかし、この状況は誰も悪くない。LiBは制度を利用する際の罪悪感を少しでも減らすために、子どもが病気になることは当たり前だということを前提とする制度を設けた。その名も「37.5リモート」。子どもが37.5以上の熱を出した場合に終日リモートで働くことができる。具体的な状況に応じた制度を作ることで、周囲の理解も深まり、今までのようなメールでの長い謝罪文、説明文は必要なくなる。

今までの「リモートワーク制度」だけではカバーできなかった「罪悪感」を少しでも減らす工夫がみられる。
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写真=LiBzCAREER

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