あなたはどこで働きたい? 女性の働き方を本気で考えた4社の独自制度

左から、永井裕美子(株式会社LiB)、稲垣みずほ(株式会社オークローンマーケティング)、簑田咲(サイバーエージェント株式会社)、谷村江美(株式会社サニーサイドアップ)

「お子さんやお孫さんにぜひ、子どもを最低3人くらい産むようにお願いしてもらいたい」

自民党、桜田義孝前五輪相のパーティーでの発言が批判を浴びた。そもそも子どもを3人産みたくても産めるような社会になっていない、と男女問わず多くの人がSNSなどで怒りを露わにした。

世界経済フォーラムが2018年に発表したジェンダー・ギャップ指数ランキングで日本は149ヵ国中110位だった。先進国と言われながらも、男女平等の観点においては下から数えたほうが早い結果となった。

そんな日本で少しでも女性がイキイキと活躍できる環境や働き方を考えられるように、キャリアイベント「Women’s Career Cafe」が東京・虎ノ門で開催された。女性の転職を支援するLiBzCAREERが主催した。

国としては課題山積だが、企業として一人でも多くの女性をサポートしたい…。そんな思いを持ち、独自の取り組みを進めている企業4社が登壇した。



ORではなく、ANDの生き方を。32の制度を設けた意味


実施企業:サニーサイドアップ

PRを専門とするサニーサイドアップでは、5年前から社名にちなんで、どんなライフステージ、ライフスタイルの社員でも積極的に使える32(サニー)の制度を立ち上げた。他の会社ではなかなか見ることのない特典が目白押しだ。

「恋愛勝負休暇」はその名の通り、大切な人に対して勝負をかけたい時にとれる休暇のことだ。実際にこの休暇をとった男性社員がその日のプロポーズに成功したというエピソードもある。「幸せは歩いてこない制度」は、1ヶ月1万歩を達成することで、健康と報奨金「3,200円」を両方手に入れることができる。

他にも女性の支援に特化したものとして、「Dear Woman制度」がある。日本企業としていち早く「卵子凍結から保存までの費用助成」をスタートさせた。

卵子の採取や凍結にかかった費用の30%だけでなく、凍結保存にかかる月額保管料(10年間)の30%も負担する。すでに2人の社員がこの制度を利用している。タイムリミットを気にすることなく自分の目標を追いかけたい女性のために設けられている。

このような制度には、サニーサイドアップ代表の次原悦子の思いが詰まっている。ある女性社員が結婚する際に次原はこのようにメッセージを残した。「今まで女性はORの時代だった。これからはANDの時代。何かを得るために何かを犠牲にする必要はない。あれもこれも、と手にしていい」と語った。

女性が「AND」の人生を享受してこそ、輝ける。次原の会社の制度には、選択に伴う犠牲をなるべく減らすための工夫がみられた。
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写真=LiBzCAREER

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