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こうした体験がインスタ映えするようであればなお良しだ。米誌ナショナルジオグラフィックによると、2017年の時点でもインスタグラムのユーザー(多くがミレニアル世代だ)は旅行のアイデアを投稿から得ていた。同誌は「インスタグラムは、5億人以上のアクティブユーザーを抱え、1日平均8000万枚の写真が共有されている。人々には画像に対する明らかな欲求があり、それが旅の決断に影響を与えている」と伝えている。

例えば、ニュージーランドのワナカ町は2015年、観光客の増加を狙い、インフルエンサーを町に招待した。そこで投稿された写真により、町への観光客は14%増加した。ワナカ当局はこのことを「素晴らしい資本利益率だった」としているが、まさにその通りだ。

こうした持続可能なウェルネス体験(その多くは高い値段が付けられている)では、旅行会社だけでなく旅行者にもより多くのものが要求されている。一昔前の旅では、ゆっくり休みリフレッシュして戻ってくることが唯一の目的だった。しかし現代の旅の目的は、自分の生き方について新しい考えを身につけ、違う人間になって休暇から戻ることだ。高級旅行企業ブラック・トマト(Black Tomato)は英誌ザ・ウイーク(The Week)の記事で「人々は他と違うだけでなく、変化をもたらすことを経験したいと思っている」と述べている。

このトレンドが、ミレニアル世代が大切にするもう一つの信念である環境問題とどれほど相容れられるものなのかは、まだ分からない。米誌コンデナスト・トラベラーが旅行分野でのトレンドメーカーとして選んだデービッド・アッテンボローやレオナルド・ディカプリオをはじめとする人々の多くは、世界を旅することと地球を守ることに挟まれた微妙な位置に立っている。今後、この2つが平和に共存できるとは考えにくい。

英紙ガーディアンは先月、旅行予約サイト「Booking.com」から持続可能な旅を提供する組織として賞を授与されたスタートアップ各社を紹介する記事を掲載した。その全てが、地元の人々による本物の体験を提供している。しかし、どの企業も、最大の課題をまだ解決していない。それは、飛行機に乗らずにどう素早く旅先にたどり着けばいいのか、だ。

編集=遠藤宗生

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