キャリア・教育

2019.06.04 12:30

世界で広がる「新しい働く、学ぶ」9選(後編)

世界の「新しい働く、学ぶ」

『Forbes JAPAN』と、「はたらく」を考えるビジネス誌『WORK MILL』との二誌合同企画。同誌編集長・山田雄介と訪れた、世界の「新しい働く、学ぶ」を実践している場の中から、9カ所を選定した。一人ひとりが100年「アントレプレナー」であり続けるために、いま、私たちが学ぶべきことは何か。見えてきた答えは、「It starts with you(すべては「私」からはじまる)」という自分起点であることの大切さだ。


CASE 6 KAOSPILOT



すべては「私」からはじまる

「世界で最も刺激的なビジネススクール」と呼ばれる、デンマーク・KAOSPILOT(カオスパイロット)。1991年設立後、約900人に上る歴代卒業生たちの活躍により、「チェンジメーカーを輩出する学校」として知られるようになった。ここでは「すべきこと」を教えるのではなく、生徒が自分の未来を見定めるのを手伝うことが目的。「やりたいこと」を見つけたどり着くための方法を教えている。

校舎には「Do What You Love, Love What You Do(自分の愛することをすること、自分のすることを愛すること)」という言葉が描かれ、同校が行う「クリエイティブ・リーダーシップ・プログラム」の最初のレッスンの名前は「It start with you(すべては「私」からはじまる)だ。自分を見つめる勇気を持ち、自分が社会の中でどんな役割を果たしたいかを考える場所である。カオスパイロットは「勇気を育む学校」とも呼べるかもしれない。

CASE 7 INSTITUT FOR(X)



「いまここにないもの」を持つ人を優先する

カラフルなコンテナやDIYで作られた小屋、テーブル、ベンチが並ぶのは、デンマークにある「Institut for(X)」。駅舎跡地に設立された「カルチャー・ビジネス・教育のためのプラットフォーム」であるこの場所には、デザイナーや建築家、ミュージシャン革職人、クラフトビールをつくる人まで250人以上のクリエイターが集う。

彼らに共通するのは「人と違うことをやりたいと思い、まず実践してみるような人」。入居希望者をプロジェクトの面白さや事業性の観点から厳正に審査。また「マイノリティープリンシプル」と呼ばれる方針により、常に「いまInstitut for(X)にないもの」をもつ人々に優先して場所を貸すことで、人の多様さと場のフレッシュさを保っている。ここでの決まりは「ルール・ゼロ」と呼ばれる、「ルールは作ってはいけない」ことだ。すべては、運営側、入居者との「民主的な(デモクラティック)議論」で決める。
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編集=フォーブス ジャパン編集部

この記事は 「Forbes JAPAN 100年「情熱的に働き、学び続ける」時代」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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