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ウーバーやリフトの車両の屋根に広告を表示する、デジタルスクリーンを提供する企業「ファイアーフライ(Firefly)」は昨年12月に2150万ドルを調達して注目を浴びたが、それから6カ月が経過した今、さらに3000万ドル(約32.5億円)の資金を調達した。

ニューヨーク本拠のファイアーフライの今回の資金調達は、アルファベットの投資部門の「GV(旧グーグルベンチャーズ)」が主導し、既存出資元のNFXも参加した。ファイアーフライは今後、ウーバーやリフトのドライバーが副収入を得られるデジタル広告ディスプレイの提供範囲を拡大する。

また、ニューヨークのタクシーを統括するMetropolitan Taxicab Board of Tradeとの契約持つメディア企業「Strong Outdoor」のデジタル部門を買収し、タクシーの広告をデジタルに置き換えていく。

「当社の試みは当初、多くの人々からクレイジーだと思われていた」とファイアーフライ共同創業者でCEOのKaan Gunayは述べた。「しかし、GVからの支援を受けたことで、今後はグーグルのリソースを用いて事業を拡大していく。車両の位置やユーザーの属性にマッチした広告を配信し、これまでにない形の広告モデルを現実にする」

ファイアーフライはニューヨークの伝統的なタクシー業界に新たな収益機会をもたらし、イエローキャブの広告をデジタルビルボードに変化させる。同社のデジタルビルボードはセンサーを備えており、大気汚染や道路の整備状況の把握も可能なほか、広告主らに地域を限定した広告配信を可能にする。

例えばタイムズスクエアでは観光客向けの広告を表示し、それ以外の地域ではニューヨーカーのライフスタイルに合うプロダクトの宣伝が行える。ファイアーフライは既にグーグルの広告部門と連携を深めており、ウェブ広告と類似した形で効果測定を行おうとしている。

屋外広告の市場は、ファイアーフライが創業した2018年以来、拡大が続いている。調査企業のデータでは、2018年の米国の屋外広告市場は4.5%の伸びだった。

この分野に最も多くの広告費用を投じるのはアップルやマクドナルドだが、ファイアーフライはクレジットカードサービスのBrexや、賃貸住宅情報サイトのZumperなどのスタートアップ企業を主な顧客としている。また、広告の10%をNPO団体などの公益性の高い広告にする点でも同社のアプローチはユニークだ。

月に300ドルの副収入

同社は売上高を公開していないが、現状では収益化を果たせていないという。ファイアーフライのビルボードを利用するウーバーやリフトのドライバーは、月あたり300ドル程度の副収入を得られるが、タクシーの場合はタクシー会社の収入となる。

Gunayは当面の間は米国市場に集中するが、2020年には海外市場に進出する計画という。ファイアーフライの評価額は現在1億ドルで、累計の資金調達額は5150万ドルに達している。

「グーグルからの出資を得られたことは、今後の成長に向けた強力な追い風となる。また、当社のイノベーションの信頼度も高まった」とGunayは話した。

編集=上田裕資

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