ビジネス

2019.06.03

位置情報のFoursquareが競合を160億円で買収、ビジネス活用の覇権確立

フォースクエアCEOのJeff Glueck Photo by Craig Barritt/Getty Images for Fast Company

位置情報のビックデータ企業の「Foursquare(フォースクエア)」が5月30日、1億5000万ドル(約160億円)の資金調達の実施をアナウンスし、同社としては初の企業買収を行った。

フォースクエアはスナップ傘下の広告トラッキング企業「Placed」を非公開の金額で買収し、Placed創業者でCEOのDavid Shimが、フォースクエアのプレジデントに就任した。

フォースクエアCEOのJeff Glueckは声明で「今回のディールは位置情報テクノロジー分野で、最大規模の投資となった」と述べた。今回の資金調達はRaine Groupが主導し、フォースクエアの累計資金調達額は3億9000万ドルに達した。

「今回の調達資金でR&Dや事業領域の拡大も進めていく」とGlueckは述べた。

買収交渉は今年1月にフォースクエアがスナップにアプローチしたことで始動した。フォースクエアの最大の競合であるPlacedは、2017年に推定1億3500万ドルでスナップに買収されていた。

Placedのロケーションデータは、フォースクエア傘下で「Placed powered by Foursquare」として利用されることになる。フォースクエアの位置データはウーバーやツイッター、サムスン、アップルなどが運営する15万以上のアプリで利用されている。

フォースクエアは、米国で月間1億台以上のデバイスの位置情報を収集しており、Placedの買収によって同社は世界最大の位置情報サービスとしての地位を確立する。

月間アクティブユーザー1億8600万人を抱えるスナップも、フォースクエアによるPlacedの買収を歓迎している。スナップのビジネス部門を統括するJeremi Gormanは、今後もフォースクエアとの取り組みを継続すると述べた。

「スナップの広告ビジネスは上昇基調にある。今回のフォースクエアとPlacedの動きは、位置データ活用の新たな可能性を示すものであり、彼らが創り出す未来のポテンシャルにエキサイトしている」とGormanは述べた。

編集=上田裕資

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