ビジネス

2019.06.03

「過去への感謝が原動力に」 起業家 樋口亜希を救った言葉とは

Selan代表取締役 樋口亜希


──メンバーにはこの樋口さんの気づきについて、話をしましたか?

それがですね。余計情けないなと思ったのは、過去が見えていなかったのは私だけだったんだ、ということです。みんなはちゃんと目の前が見えていた。私だけが一人焦っていた。もっとスケールさせなきゃ、と。

実は、本質は全てここにあって、お客さんや子供たちは満足してくれていて、先生たち、チームはきちんと機能してくれている。「今」をなくして、将来のスケールはあり得ない。積み上げてきたものを大事にしようと思いました。私は、これからの道のりのことしかほぼ考えていませんでしたが、今までの道のりがあって今ここにいることに感謝しながら進むことが大事だと、この言葉が教えてくれました。

──そんな壁を乗り越えてきて、これから先はどんな事業を展開していきたいですか? 

リベラルアーツのコンテンツをもっと世の中に広めたいです。今は小学生が対象ですが、中高生にも広めたいと思っています。日本やアジアの教育はなかなか偏差値教育から抜け出せないところがあるので、私たちのコンテンツをぜひ活用してもらい、アジア中の子どもたちに広い世界観を届けたいと考えています。


ひぐち・あき◎北京大学国際関係学部卒。日本、アメリカ、中国、韓国で幼少期と大学時代を過ごす。大学卒業後、リクルートを経て、Selan代表取締役就任。バイリンガル講師による自宅英語学習の「お迎えシスター」、小学生向けリベラルアーツ教育「21世紀教育ドットスクール」を展開。2018年、世界経済フォーラムより”Davos 50" に選出、33歳以下の日本代表としてダボス会議に参加。

文=瀧口友里奈 イラスト=Luke Waller

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