ビジネス

2019.06.03

企業価値20億ドルの「電動キックボード」Limeの成長戦略

(c)lime/Public Docs

電動キックボードのレンタルサービスを手掛ける「Lime」は、共同創業者のBrad Baoが新CEOに就任すると発表した。2017年1月の設立以来、CEOを務めてきた共同創業者のToby Sunは、Baoの配下でR&Dや企業文化を担当するという。

同社はまた、COOのJoe KrausがBaoの後任としてプレジデントに昇格する人事を発表した。Krausは、日々の事業運営や自治体との関係構築、事業開発、マーケティングなどを管掌する。

「Bradが直近の事業運営を担当し、私が成長プランを描いていく新たな役割にとても興奮している。Bradは長年に渡る私のメンターであると当時に、信頼するビジネスパートナーだ。彼が日々のオペレーションをリードすることに自信を持っている」とSunは述べた。

Limeは、2017年1月の創業以来、急成長を遂げてきた。当初は自転車シェアのサービスを展開していたが、現在から約14カ月前に電動キックボードのレンタルサービスに転換し、のべ乗車回数数は世界で5000万回に達する。

会社の規模も急拡大している。設立時はBaoとSunの2名体制だったが、現在では5大陸25カ国に700名の社員がいる。同社はこれまでに投資家から7億7700万ドル(約840億円)を調達しており、評価額は24億ドルに達する。

事業規模が急拡大する中、一部からはSunがCEOの座を退くとの憶測が出ていた。

Sunは、Limeを創業する前、コンサルタントを経て投資会社に勤めていた。一方、共同創業者のBaoは、テンセントの米国法人に8年間勤め、スタートアップを成長させる経験を豊富に持つ。2人は、2019年の事業計画を作成する段階でCEOの交代について議論を始め、オペレーションの改善を図る上で、経験が豊富なKrausとBaoがその役割を担い、Sunは将来の成長を担うのが望ましいとの結論に達したという。
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編集=上田裕資

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